生活者主権の会生活者通信2006年08月号/01頁

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生活者通信【8月号】

第132号・2006年08月01日発行   ホームページ・アドレス http://www.seikatsusha.org/
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滋賀県知事選挙の波紋

生活者主権の会代表 小俣 一郎

 7月2日に行われた滋賀県知事選挙で「大型公共
工事凍結」を旗印にした新人が、自民・民主・公明
の推薦した現職を破り当選した。その意外な結果が
いま波紋を広げている。
 とりわけ民主党を揺さぶった。民主党は現在知事
選相乗りを「原則禁止」している。滋賀は例外とし
ていたが、この結果を受け、現職の推薦を決めてい
た8月の香川県知事選挙を自主投票に変更し、長野
でも自主投票になった。大きなうねりである。
 小沢民主党は、政権交代の実現のために来年の参
議院での勝利を第一命題に掲げている。そしてその
ポイントが1人区で勝てるかどうかだと言われてい
る。知事選はそれと同じ構図になるわけで、地方の
事情があるとはいえ、下手な相乗りはしないことが
肝要である。今回の結果を薬として、災い転じて福
とする、ことを期待したい。
 朝日新聞社説は「『もったいない』が勝った」と
のタイトルで今回の選挙を論評したが、大型公共事
業の凍結、とりわけ新幹線の新駅凍結を掲げて当選
したのには驚いた。新幹線には聖域のイメージがあ
る。これを否定して当選した知事がこれまでいただ
ろうか。私には記憶がない。しかも相手は現職で、
自民・民主・公明の推薦を受けていたわけである。
これは住民意識の大きな変化の現れだとも言える。
財政危機が叫ばれ続け、それがだんだんと浸透して
きたのではないか。この結果を受けて、今後の知事
選での争点が大きく変わるかもしれない。 
 また今回の選挙では、新幹線の新駅凍結の是非が
クローズアップされ、それが「ワンフレーズ選挙」
のような効果になったとも聞く。「ワンフレーズ」
がここでは自民党に牙をむいたわけである。
 滋賀知事選でもマニフェスト選挙は行われたよう
で、地元新聞の記事を見るとそれにより冷静な判断
もされたようだ。政策の全体を約束するためのマニ
フェストの提示は必須のものとしてもはや定着して
きたのだと思う。しかし、多くの人をひきつける爆
発力ではマニフェストよりワンフレーズに軍配が上
がる。これからの選挙ではマニフェストに加えて、
自らの力点を明確に表現する「ワンフレーズ」も必
須なものになるのかもしれない。

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