生活者主権の会生活者通信2004年12月号/03頁..........作成:2004年11月28日/杉原健児

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<新ライフスタイル特集>
私が求めるライフスタイル

東京都文京区 松井孝司(tmatsui@jca.apc.org)

 私は今年古希を迎え、身体のあちこちに不調を実
感する毎日です。昔なら大部分の人が死ぬ年齢(古
希)に達したのですから、これもやむを得ません。
外見は健康そうに見えますが、数年前から耳鳴りが
するようになり、酒席で意識不明になって倒れ、救
急車で病院に担ぎ込まれたこともあります。幸いに
して救急車が病院に到着する前に意識は戻り、検査
の結果は「異常なし」との診断でしたが、半病人で
あることは間違いありません。
 現役を引退した後、慢性のアレルギー性鼻炎にも
苦しむようになりました。これは間違いなく環境の
変化によるものです。現役時代は研究室に閉じこも
り、スギ花粉や自動車の排気ガスを吸わずに済んで
いましたが、引退後は街中を歩き回るようになり、
嫌でもアレルギーの原因物質を空気と共に吸わなく
てはならなくなりました。東京に住む限りこれは避
けられません。
 私がライフスタイルに関心を持つ理由は「食習慣
と住環境」を変えることにより、アレルギー性鼻炎
は克服できると考えるからです。私が求めるライフ
スタイルは健康を維持し、生涯現役を可能とする生
活様式で、私にとって有益なライフスタイル構築の
ための具体的情報を入手することが当面の課題です。
 最近、花粉症に有効と称する健康食品が多く出回
るようになったので、文献調査により胡散臭いもの
は除外し、有効性が期待できそうなものは片っ端か
ら入手しテストしていますが、私にとって有効性が
立証された食材は、いまだ発見できていません。
 当初、テレビ番組の情報から鼻炎に有効な食材は
容易に発見できると考えていたのは間違いで、アレ
ルギーの原因となる免疫現象は予想外に複雑である
ことが判りました。免疫反応は個人差が大きく、万
人に等しく有効な食材はまず無いと見てよいでしょ
う。個人差も含めた有効食材の探求には長期の調査
期間が必要と考えています。
 独立行政法人「国立健康・栄養研究所」が、今年
「健康食品」の素材情報データベース(URL>http://
hfnet.nih.go.jp/)を一般公開したことは悪徳業者
にとっては迷惑でしょうが、大いに歓迎すべきこと
す。この食材データベースをみると市販の健康食品、
サプリメントには、信用できる臨床データが殆ど無
いことが判ります。
 アレルギーは通常生活習慣病と見なされていませ
んが、後天的な獲得免疫がその原因であり、生活習
慣、生活環境に起因すると考えられます。都市化に
よる環境変化とも密接な関係があり、都市化の進行
でアレルギーは更に増加すると予想されます。生活
習慣はアレルギーだけではなく、肥満、高血圧、糖
尿病、心臓血管疾患、癌など多くの現代病にかかわ
りを持ち、これらの病気は高齢になってから発症す
ることが多いので、生活習慣病の予防は高齢化社会
にとって重要課題となっています。
 生活習慣病予防のために正しい情報を提供するこ
とはQOL(Quality of Life)を向上と医療費の節減に
も寄与し、個人にとっても社会にとっても有益と思
います。


<新ライフスタイル特集>
21世紀のライフスタイル・ワークショップ

東京都世田谷区 澤井正治(msawai@hotmail.com)

 何年か前に、明星学園において教育シンポジウム
なるものの開催に生活者主権の会も協力しました。
そこでのキーワードに、ホリスティック教育なるも
のがありました。               
 医療界におきましてもホリスティック医療が謳わ
れはじめていました。ホリスティックとは全体的、
総体的という意味です。教育では知識だけの教育で
良いのか、医療では病気の原因をとり除くだけが治
療か、という問題提起です。そこから全人的教育、
全人的医療という概念が出てきて、ホリスティック
教育、ホリスティック医療が謳われるようになりま
した。検討対象が知識のみ、障害・病変のみ、部分
的な問題意識に対し、全人的な(人生観,宗教・習
慣)把握,時間的な(幼少期,成年期,老年期)把
握もホリスティックの概念に入ってきます。   
 引きこもり,家庭内暴力は学校教育だけで解決な
ぞとても無理です。個人生活にもこのホリスティツ
クな概念を持ち込むと自分史の中の何期に属するか、
と言う観点です。幼少期、少年期、青年期、壮年期
・中年期、老年期に大雑把に区分するとしますと年
齢からご自分は何期だと判定できるかと思います。
人生の目標、人生観と言いますと個人に密着し、不
変と考え勝ちですが、そうではないでしょう。恋愛
観は年齢と共に変化します。金銭に対する好悪も変
化します。社会観、企業観も変化します。    
 小生らベビー・ブーマーは高度成長経済の恩恵に
浴した世代です。ハーマン・カーンが21世紀は日
本の世紀と持ち上げ、我々日本人もその気になりア
メリカ何するものぞ、と言う気になったのは事実で
す。右肩上がりの時代です。物質優先の時代です。
日本、日本人は長い間、この物質優先の時代を過ご
しました。心の時代,個性化の時代と言われて久し
いですが、金銭優先の名残りはまだまだ存在します。
 ここで,一度立ち止まって,自分は何を求めてい
るのか,何に安らぎを覚えるのか考えて見ましょう。
スローフードが言われています。スローライフを小
生は提唱します。共に21世紀のライフスタイルを
考案しましょう。それは画一的である筈がありませ
ん。各人の個性,人生観を尊重した上でのライフス
タイルのあり方の研究です。注文の多い料理店では
なく、注文に応える料理店にしたいと思います。こ
の運動に是非,ご参加下さい。         

生活者主権の会生活者通信2004年12月号/03頁