生活者主権の会生活者通信2004年10月号/04頁..........作成:2004年09月23日/杉原健児

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<道州制実現特集>
「道州制.COM」で道州制実現を目指す

「自分の人生は自分で決めて、望む社会を手に入れる」
そういう当たり前のことが、今なぜ出来ないのか?

政策学校一新塾 森嶋伸夫 <morisima@isshinjuku.com>
 “最初に国家ありき”で設計された中央集権シス
テム。官僚主義の縦割り政治。親方日の丸、護送船
団で高度成長を支えてきたシステムが制度疲労を起
こしている。大きな政府、大企業、組織の論理が幅
をきかせ、自治体も企業も個人も依存症が蔓延。こ
れこそが、久しく変われない閉塞日本の根本原因で
ある。                    
 “最初に生活者ありき”の地域主権システム。組
織依存からの脱却、既得権益との決別、自立への目
覚め。個々人の可能性が存分に発揮される、個々人
のミッションが礎となる新しい国づくり。全員参加
で国づくり、地域づくりに協働して取り組んでいく
コミュニティの再生である。今起こっている中央集
権から地域主権への潮流は、“国家ありき”の国づ
くりから“生活者ありき”の国づくりへの転換に他
ならない。                  
 さて、地域主権システム実現のために現時点で考
えられる最も有効な地域主権システムが「道州制」
である。しかし、道州制と言っても、政府の地方制
度調査会や自民党、民主党、経済界、研究者、市民
団体などから実に多くの提言がだされている。その
概念や内容は統一したものではなく、諸案それぞれ
の背景や目的・ねらいは違っている。道州制を議論
する場合、まずこうした違いがあると認識した上で、
誰が、どんな背景から、どういう目的で出した道州
制プランなのかを把握する必要がある。     
 例えば、自民党の道州制は、市町村合併の延長線
上で「単純な都道府県合併」の色合いが強く、民主
党の道州制は「立法権を持つ道州による準国家連合
的な連邦制」の色合いが強い。         
 「現在、地方制度調査会などで始まった道州制論
議は、現在の中央政府はそのまま、ないし地方への
申し訳程度の権限委譲を前提にしてのつまらないも
のである。そんなピントのずれた志の低い議論では
なく、中央政府解体再編と併せて行う道州制論なら
大いに賛成である」(ガバナンス2004.9)。片山善
博烏取県知事はこう述べる。          
 どんな道州制がいいのか、生活者である私たちが
しっかり政治・行政をウォッチし、提言していくこ
とが肝要だ。現在、国の抱える膨大な財政赤字が、
道州制がこの借金の責任逃れに利用されたり、ある
いは、新しい利権を生み出すことに利用されるのは
何としても避けたい。             
 そのために一新塾有志が立ち上がり「道州制.COM」
を立ち上げた。“生活者主権”の道州制実現を目指
して情報発信を開始。道州制は、その是非を検討す
る段階から、実現させるための具体的な内容につい
て議論する段階に移りつつある。        
 今後の 100年の国家体制を決めてしまうこの道州
制のテーマこそ、国民を挙げての議論を展開しなけ
ればならない。まさに、日本人が初めて真の民主主
義国家をつくる議論の始まりである。だからこそ、
官僚、政治家任せの依存体質から脱皮し、全員参加
での議論を巻き起こそう!           
 「道州制.COM」が運営する道州制のポータルサイ
トには9ヶ月で76万アクセス。          

★「道州制.COM」 <http://www.doshusei.com/


<道州制実現特集>
道州制推進への課題 -地域区分を中心として-

日本道州制研究会会員 山中鹿次 <yamashikachiki@occn.zaq.ne.jp>
  私は、大阪地区で道州制の問題に取り組んでおり
ます、「日本道州制研究会」の山中鹿次と申します。
当研究会では地域区分について何度か発表しており
ます(今年は5月に発表済み)。道州制の有効性に
ついては、今日ではそれほど明確な反対論が少ない
ものの、国民世論の積極的支持に至らないのは、区
割りの困難さがあるからかと思います。     
  北海道の先行実施論が浮上しているのも、北海道
が一つの道州となることにほぼ異論が出ないことに
あると思います。日本全体を何ブロックに分割する
のか、関東から東京を浮島的に別の道州とするのか
議論が分かれます。              
  地理的には山梨県は中部エリアですが、文化、経
済的には関東の影響が強いでしょう。また、三重県
は中部なのか近畿なのか、常に見解が分かれますし
、北陸でも福井県は新聞が大阪本社管轄だったり、
敦賀市以西の若狭、嶺南地域は経済的に中部・北陸
より明確に近畿の影響下にあります。      
  道州制の区分案に日本海側の地帯をどこかの太平
洋側の地帯に含めてはという見解を示している方が
いましたが、その場合太平洋側と日本海側の幅が一
番最短で、日本の中央部にあたる福井県南部〜岐阜
県・三重県にかけての地域のどこかに遷都の上、分
岐点の福井県南部の敦賀市を近畿、中部のどちらに
入れるかを論議し、どちらにいれたにしても双方の
道州の影響下に入れる特区とする配慮が必要であり
ます。                    
  またフリーケージトレイン(違う線路の幅が走れ
る列車)の運用で、北陸新幹線は敦賀以南は名古屋、
大阪のどちらへも直通列車が走れるようにすべきで
あります。                  
  なお、テレビの放送エリアでは山口県西部のよう
に、見ているのは北部九州のテレビが主、徳島のよ
うに大阪、兵庫のテレビと同一エリアのような県も、
道州特区とすべきでありましょう。       
  さらに、国土交通省では河川管理は福井県は県全
部が近畿管区だが、郵政公社は福井県は近畿ではな
いので、福井県の郵便局では大阪市の税金は払い込
めないなど、所轄官庁ごとの管区、地域別のズレは
時間をかけて統一しなければなりませんが、旧管区
の職員を一定比率は配置したり、道州特区では予算
を双方の道州から拠出することを可能とする地域と
して配慮すべきであります(本籍道州はどちらかに
するにしても)。               
  また、皆様方には「日本道州制研究会」の方にも
積極的な御参加をお願いいたします。      
  会についてのお問い合わせは、        
 TEL/FAX:075−721−7424      
 芝蒸(しば、すすむ)方までお願いいたします。
  また、原則として毎月第3土曜日の午後に   
 大阪府立青少年会館(JR、地下鉄・森ノ宮駅 
 下車西へ400m)で例会を開催しています。 

生活者主権の会生活者通信2004年10月号/04頁