“最初に国家ありき”で設計された中央集権シス
テム。官僚主義の縦割り政治。親方日の丸、護送船
団で高度成長を支えてきたシステムが制度疲労を起
こしている。大きな政府、大企業、組織の論理が幅
をきかせ、自治体も企業も個人も依存症が蔓延。こ
れこそが、久しく変われない閉塞日本の根本原因で
ある。
“最初に生活者ありき”の地域主権システム。組
織依存からの脱却、既得権益との決別、自立への目
覚め。個々人の可能性が存分に発揮される、個々人
のミッションが礎となる新しい国づくり。全員参加
で国づくり、地域づくりに協働して取り組んでいく
コミュニティの再生である。今起こっている中央集
権から地域主権への潮流は、“国家ありき”の国づ
くりから“生活者ありき”の国づくりへの転換に他
ならない。
さて、地域主権システム実現のために現時点で考
えられる最も有効な地域主権システムが「道州制」
である。しかし、道州制と言っても、政府の地方制
度調査会や自民党、民主党、経済界、研究者、市民
団体などから実に多くの提言がだされている。その
概念や内容は統一したものではなく、諸案それぞれ
の背景や目的・ねらいは違っている。道州制を議論
する場合、まずこうした違いがあると認識した上で、
誰が、どんな背景から、どういう目的で出した道州
制プランなのかを把握する必要がある。
例えば、自民党の道州制は、市町村合併の延長線
上で「単純な都道府県合併」の色合いが強く、民主
|
党の道州制は「立法権を持つ道州による準国家連合
的な連邦制」の色合いが強い。
「現在、地方制度調査会などで始まった道州制論
議は、現在の中央政府はそのまま、ないし地方への
申し訳程度の権限委譲を前提にしてのつまらないも
のである。そんなピントのずれた志の低い議論では
なく、中央政府解体再編と併せて行う道州制論なら
大いに賛成である」(ガバナンス2004.9)。片山善
博烏取県知事はこう述べる。
どんな道州制がいいのか、生活者である私たちが
しっかり政治・行政をウォッチし、提言していくこ
とが肝要だ。現在、国の抱える膨大な財政赤字が、
道州制がこの借金の責任逃れに利用されたり、ある
いは、新しい利権を生み出すことに利用されるのは
何としても避けたい。
そのために一新塾有志が立ち上がり「道州制.COM」
を立ち上げた。“生活者主権”の道州制実現を目指
して情報発信を開始。道州制は、その是非を検討す
る段階から、実現させるための具体的な内容につい
て議論する段階に移りつつある。
今後の 100年の国家体制を決めてしまうこの道州
制のテーマこそ、国民を挙げての議論を展開しなけ
ればならない。まさに、日本人が初めて真の民主主
義国家をつくる議論の始まりである。だからこそ、
官僚、政治家任せの依存体質から脱皮し、全員参加
での議論を巻き起こそう!
「道州制.COM」が運営する道州制のポータルサイ
トには9ヶ月で76万アクセス。
|