生活者主権の会生活者通信2004年08月号/03頁..........作成:2004年月日/杉原健児

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21世紀のライフスタイルを考える会に出席して
再開第2回目(田舎暮らしについて)

今回も新宿生活者主権の会と地球村、21世紀ライフスタイルを考える会の合同会議

千葉県柏市 峯木 貴(mineki@taurus.bekkoame.ne.jp)

日時:2004年6月26日(土) 18:30〜21:00    
場所:新宿区リサイクルセンター4F       
出席者:佐藤氏・松井氏・那須新宿区議・なかまえ
    港区議・水井氏(古河機械金属)・小川氏
    (NPO)・地球村の方々。        
 多彩な顔ぶれで、白熱した議論を展開した。  
 主要な議題は田舎暮らしである。       
○松井氏から提案(生活者主権の会)      
  日本にニュージーランドのような場所を作る。
 ニュージーランドは気候も穏やかで、生活コスト
 が安く、犯罪も少なく、年間200万円の年金給
 付で豊かな暮らしができる。これは、所得税、消
 費税が高いが、小さな政府を実現したためである。
 日本も見習うべきである。          
○峯木からの提案(生活者主権の会)      
・現在、マンションストックの総数は全国で約385 
 万戸、約1000万人が居住。          
・建築後30年以上のマンション 12万戸(平成12年)
 → 93万戸(平成22年)            
・マンションの放置またはマンションを含む周辺の
 スラム化スラム化は治安の悪化など1戸建の住宅
 にも悪影響を与える。今後都市部では1戸建より
 マンションが建築される個数が多くなるだろう。
・結論→田舎暮らしの必要性。         
○小川氏より意見(文京区NPO)         
  土地を所有するという発想がそもそもの原因で
 ある、と指摘があった。また、那須議員からは、
 新宿はあと30年は安泰だと思っているとの発言が
 あったが、その後はどうするのかは定かではない。
○那須議員より意見              
  知り合いが田舎暮らしをしているが、非常に大
 変な思いをしているらしい。田舎暮らしはユート
 ピアではない。−今後は失敗事例なども研究。 
○水井氏より意見(森林に関して含蓄がある方) 
  戦後いっせいに杉、ヒノキという単一の針葉樹
 を植林したことが森林荒廃の原因である。その30
 年後には伐採し資源としての価値が高まるはずで
 あったが、安い外材に押され国内では伐採し販売
 することができなくなった。その結果林業も荒廃
 していき、枝打ちや間伐など管理が行き届かなく
 なった。管理されていない人工林はもはや材木と
 しての値打ちはなくなってしまった。しかし、林
 野庁では将来の資源といっている。本来は日本の
 風土に合った、ぶな林とすべきであった。手入れ
 がほとんどいらず、材木としての価値も高い。 
  森林の有効利用で二酸化炭素を効果的に封じ込
 めることができる。             
  また、里山暮らしだが、リゾート気分で田舎に
 住まれたら、その土地の人はいい顔をしないので
 はないか。何が地元にとって大事なのか考える必
 要がある。里山暮らしは大変であることを自覚す
 べきである。                
○上野さんより提案(地球村の会員)      
  奥多摩で 500坪ほどの土地を小屋がついて、月
 2〜3万円で貸している。森の管理をしながら別
 荘として使っていただくとありがたい。奥多摩町
 では移住に対し助成金を出している。     
 →移住に対し助成金を出しているところは多くあ
 る。しかし助成金は税金であるため、その地域の
 ほとんどが税金でまかなわれることになり、本来
 の経済活動ではなくなってしまう。その土地なら
 ではの特産品を作るなどするべきである。   
 →奥多摩は比較的近場で、このような里山体験が
 できる格好の場所である。今後は本会にで視察に
 行くことを検討する。            
○佐藤氏より(生活者主権の会)        
  新宿地球村を創設したい。         
 →地球村からの意見:何を活動の柱とするのか、
 明確にする必要がある。また、地球村が新宿地球
 村に何を求めるかすり合わせが必要。     
○考察(峯木)                
  21世紀ライフスタイルを考える会はまだ正式に
 発足しているわけではなく、試用段階である。今
 後はポイントを絞って実現に向けた活動が重要で
 あると感じた。               
  また、日本の国土の約67%を占める森林は、21
 世紀のライフスタイルを考える上で重要な位置付
 けとなる。本会もこのような根本的な疑問を投げ
 かけ取り組む必要がある。          
  ところで、地球村の活動の一環で、東京大学生
 産技術研究所の教授の公演を開いたそうだ。教授
 の話は「通常のリサイクル活動や環境保全活動が
 実は環境負荷を大きくしている。」というような
 内容のもので、公演を聞いて驚いたという。今ま
 で行っている環境保護活動は間違っているのでは
 ないか、と感じたらしい。          
  東京大学生産技術研究所といえば安井教授のい
 るところで、安井教授といえば廃棄物・リサイク
 ルに関して、研究論文に引用されたり、国の審議
 会に出席するなど、時の人である。      
  教授の研究室では、エントロピー増大の法則 
 (物は散らかるということ)という熱力学の基本
 的な法則に則ってリサイクルを研究しているため、
 当然リサイクルの矛盾点が指摘される。ライフサ
 イクルアセスメント(製品の製造から廃棄までの
 全エネルギー使用量)も各機関から依頼され研究
 しているところであるため、信憑性はかなり高い。
  一般人が当然と考えている環境保護は、ほとん
 ど逆をいっているという結論になる。     
  研究所の成果はかなり信憑性の高いものである。
 しかし、それはあくまでもマクロ的な問題である。
 マクロ的には地球環境問題などはさほど起こって
 いないという考えだろう。しかし、ミクロ的には
 確かに環境問題は起こっている。このようなマク
 ロ的な研究を真に受けると、現在の環境に対する
 行動の高まりに水をかけることになってしまう。

生活者主権の会生活者通信2004年08月号/03頁