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前略                     
 H.16.4.6. 第二回掲部会をオブザアブさせて頂き、
まことに有難うございました。お礼の気持ちを込め
て、一言、感想を述べさせていただきます。   
(一)国会図書館専門調査員高見氏の見解及び各議員
 との Q/Aは、大変熱気もあり、興味深く感じまし
 た。高見氏は官僚の一人でもある割には、相当は
 っきりした見解だったように思いました。しかし
 ながら、一番肝心な、現憲法下での道州制の可否
 について、一般論として一旦「可能」としながら、
 前岡山県知事長野士郎の連邦論に対しては、「微
 妙」としている点,ちょっと腑に落ちないように 
 思いました。                
  何故なら、同氏の見解では「三権のうち、一つ
 でも中央に残れば、道州制は可能」という事であ
 ったのに対し、長野氏の連邦制は、三権の全てに
 つき、部分的に中央に残してあるのだから、「微
 妙」でなく、「可能」であっても良いのではない
 でしょうか。ここらが、官僚の限界であり、長野
 氏のような具体論が出てくると、その可否は「微
 妙」だ、というように微妙に逃げている、という
 事ではないでしょうか。           
  何れにせよ、改憲は国民・与野党の総意を要し、
 時間がかかるわけですから、それを待たず、現憲
 法下での道州制における三権委譲の具体案を、ど
 しどし固めて世に問われ、改憲が実現したら、更
 に道州制の法整備を進める、という二段構えで行
 かれるべきではないでしょうか。       
  民主党も、之まで、司法権と立法権をどうする
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 か、という事については、余り突っ込んだ検討が、
 なされていないように思いますので、重要な論点
 として整理され、議論されては如何でしょうか。
 我々も、大変関心があります。        
  また、江口克彦、大前研一、永井英慈、長野士
 郎などの各氏を呼んで、突っ込んだ話をするのも、
 良いのではないかと思います。        
                       
(二)それとは別に、仙谷会長のお話で、「徳島のよ
 うな田舎では、改憲論や道州制など言っても、皆
 さんはピンと来ず、補助金の話ばっかりであり、
 道は中々遠い。」と言っておられましたが、地方
 では、正にその通りだろうと思います。    
  しかしながら、地方の各議員こそ、勇気と自信
 を持って、其処のところを説いて頂かねば、なら
 ないのではないでしょうか。だって、「自民を倒
 すために民主は在り、その悪政の根源は中央集権
 であり、それを廃した後は、分権の理想の形の道
 州制しかないし、その為にこそ党は道州制を基本
 政策に掲げているわけだし、それによって世の中
 は必ず良くなるし、話は簡単であり、話せば必ら
 ず分かって貰えるし、その説得にこそ政治家の醍
 醐味が有る。」と思うのですが、如何でしょうか。
                       
(三)以上、率直な感想を述べさせて頂きましたが、
 少しでもご参考になれば幸せです。そして、若干
 の刺激にはなろうかと存じますので、次回以降も
 本聴講を、かくべつを持って、ご許可賜りたくお
 願い申し上げます。           早々
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