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前略                     
(一)政権与党が、今ほど、難問山積により憔悴し
 切っている時代は、過去50年を顧り見ても、全く
 有りません。そして、野党第一党が、余程ヘマを
 するか、責任を怠慢するか、しない限り自動的に
 政権が交替すると言うのが、天下の公理でありま
 す。それにも拘わらず、一向に之が実現しないの
 は、世界の七不思議の一つであります。    
                       
(二)政権交代には、全国有権者の澎湃たる与論の
 惹起と、燎原の火の如き、市民運動の盛り上りも
 不可欠であります。私どもは、道州制早期実現を
 希求する、政治の市民運動の会であります。その
 推進のためには、道州制を標榜する民主党が、之
 を基本政策に確立し、次回総選挙で之を有権者に
 明示し、政権を獲得して頂くのが、一番の早道と
 考えております。私どもは、全国的盛り上りを作
 るべく、全国の市民運動や学生運動との連携のネ
 ットの輪を構築中でありますが、先ずは、貴党の
 考え方を充分に把握することが、肝要と存じてお
 ります。そして、上記の七不思議を解くためにも、
 以下の質問にお答えを頂きたいと存ずる次第であ
 ります。                  
                       
(三)                    
1.菅代表は、光文社の著作で「改革政権準備完了
 と言いましたが、未だ、一番大事な点の準備が、
 完了していないように思います。代表は道州制と
 産業のスクラップ&ビルドが、党の基本政策だと、
 言っていますが、之は正論であります。しかし乍
 ら、この基本で、果して党内が完全に纏まってい
 るでありましょうか。まだ、残念乍ら、いろんな
 意見があって、バラバラの様に見受けられます。
 同書中においても、代表は「党は、国や自治体労
 組よりの支持上、構造改革の各論では、慎重にな
 ることがある」としておられるのは、労組系の議
 員との間で、この点の議論が尽されていない証拠
 だろうと思います。             
2.又代表は、Discussion Journal「民主」4 月号
 で、米教授に「政策のトップ・プライオリティを
 三つ等に絞って、わかり易くするのが、最重要だ
 が、できていない」と言われましたのに対し、 
 「全くその通りで、党自身の不充分さだ。」と認
 めています。党内の地方分権推進ワーキング・チ
 ームの作業も未完成のようであります。    
3.道州制とスラップ&ビルドと簡単に言いますが、
 之は長年の日本国の風習から見て、天地がひっく
 り返える程の、大革命と言うべき根本の大構改で
 あり、党内の基盤にも、国民の間にも大きな摩擦
 が起きない筈はありません。甘いソフトな説明で
 理解して貰える様な、生易しいことではありませ
 ん。体を張って、政治生命を賭して、勇気を持っ
 て、率直に話すことが不可欠であります。道州制
 は、即ち、中央省庁の壊滅に近い改革であり、都
 道府県の廃絶であります。国や自治体労組や連合
 その他組織が反対しない筈はありません。又、道
 州制に伴う経済諸規制の大緩和・撤廃とスクラッ
 プによる当面の失業増大に対する経済界・有権者
 の反論も亦然りであります。         
    この構改は、言うなればハード・ランディング
 の手法であります。一万件もある諸規制を、百件
 程度でなく、その殆んどを撤廃せんとするもので
 あります。                 
  そうでなければ、経済再生の効果も上がりませ
 ん。この構改のためには、労組も、今迄のように
 マンネリ的に、只単に、リストラ・賃下げ反対を
 叫び続けるのではなく、革新学者の言うように、
 「世界一の生活実現」を指向すべきでありましょ
 う。之ら諸点について、労組系議員や連合等労組
 団体との間で、先ず徹底した討議とその結論の引
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 出しが不可欠であり、それなしでは、真の全員納
 得の党の基本政策の確立はあり得ないと存ずる次
 第であります。政権が近づかないのは、先ず之が
 できていないからであります。労組系議員のハー
 ドランディングへの大変身をご期待申し上げます。
4.代表は、難問先送りの態度で、「政権奪取が実
 感されてくれば、すぐに意見は一体化する。」と
 書いていますが、基本政策が確立され、選挙必勝
 体制が見えて来なければ、政権奪取が実感されて
 来る筈もありません。本末転倒であります。  
    自由党との連携談義も然りであります。基本政
 策未定のままで、いくら話をしても内部意見はバ
 ラバラです。先ず政策を決め、同党にも之を示し、
 納得を貰えば、結論も早いでしょう。     
5.焦点は、自民党の如く、何時までも、ムダな国
 費で、効果のないソフトランデイングを続けるの
 か、真のスクラップ&ビルドのハードランディン
 グを敢然と表明するのか、二つに一つであります。
 内外の心ある学者や外国の有識者は、全て、スク
 ラップ&ビルドしか、日本の再生はあり得ない、
 と申しております。             
  中谷巌、嶋田晴雄(痛みの先に何があるのか)、
 リチャード・カッツ(不死鳥の日本経済)、大前
 研一(新資本論)など皆、正論でありましょう。
 痛みの先には、必ず豊かな可能性があることは、
 英米その他、途上国にても実証済みであります。
 問題は、痛みを如何に軽く、如何に短くするかの
 具体策を野党が如何に創出するかであります。ニ
 ュージランドの先例もありますように、「失業は
 新就職まで、完全保証する」ことにしても、自民
 党のムダな公共投資の何十兆何百兆に比すれば、
 ほんの数兆あれば足りるでしょう。之らについて
 の思い切った施策が最重要でしょう。理論構築・
 理論武装には学者の力も借りるべきであります。
                       
(四)以上の論点を整理すれば、次の通りでありま
   す。                  
1.道州制の早期実現〓自民党諸悪の総解消   
2.経済規制の大緩和・撤廃〓経済活性化・再生 
3.産業のスクラップ&ビルドの促進〓ハードラン
  ディング                 
4.新産業の徹底育成〓新就職先の増加     
5.非生産性産業の不保護〓同産業の健全化   
6.失業の完全救済と新就職の促進       
                       
(五)以上の党内議論の結果、基本政策が成文化さ
 れ、隔離されたなら、マスコミ、有権者、支援団
 体等に周知徹底させる。総選挙に向けては、別紙
 の如き、一枚の紙の表裏一体作戦で一億人に徹底
 させる。 (前回掲載済みと殆ど同一ゆえ省略)
                       
(六)                    
1.以上の提言に対し、貴職はどうお考えになられ
 るか、率直なお答えを頂きたい。と言うのが、私
 どもの、質問であります。          
    大変重要な問題を含んでおりますので、ぜひ、
 万障お繰り合わせ、ご面談の機会を作って頂き、
 ご懇談賜りたく、お願い申し上げます。    
2.蛇足ではありますが、貴党は、市民のための政
 党出ありますから、基本政策の策定に当たっては、
 市民の意見を充分汲み上げて、ご決定されるよう
 提言致します。               
3.ついでに申し上げれば、議員の方々は、忙しい
 過ぎます。自民党の委員会などに、つき合い過ぎ、
 大事な時間を吸い取られ、敵の術中に嵌っている
 のではありませんか。もっと、本を読んだり、外
 国の事例を考究したり、勉強の時間を、多く作ら
 れることを希望します。           
以上、乱文乱筆を深謝し、益々のご健闘を祈念しま
す。                  草々 
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