生活者主権の会生活者通信2003年05月号/04頁..........作成:2003年05月09日/杉原健児

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道州制(地域主権)実現の方法について

(文責:大田区 大谷和夫)

 03-04-02 (水)16:00〜18:00 、新宿リサイクルセ
ンターにて生活者主権の会の道州制実現推進委員会
が開催され、昨年10月「脱中央集権国家論」を発行
したPHP総合研究所の副社長「江口克彦氏」を招
き、同氏との懇談を行った。この中で江口氏の発言
要旨を下記にまとめて記す。          
                       
1.地域主権                 
  諸悪の根源は中央集権にあり、既に耐用年数を
  超えている。地域を大きなブ ロックに分けるこ
 とが必要である。情報化時代の今日、都道府県と
 して47に細切れにし、基礎的自治体を3000以上に
 も分けていたら対応しきれない。       
    地域主権については経済同友会やJCも使い出
 したが、6年前に地域主権論 を出版している。
 地方分権は上から下へ権限を分け与える思想なの
 で、地域主 権とは異なる。地域に主権ありやと
 クレームが付いたことがあるが、政治を知らない
 妄言である。                
                       
2.地域主権実現の方法            
    下記3種類の方法が考えられる。      
  1)永田町主導                
    国の役割限定法、地域再編法の法律を定めて10
  州、257 府にする。ただし税源移譲も考えなけ
  ればならない。              
 2)知事の連合                
  北海道、北東北三県連合、九州( 平松、麻生) 、
  三重( 北川) 、岐阜( 梶原) 、関西、東京など
  道州制・地域主権に熱心な人が増えてきた。 
 3)世論の形成                
  会をやるごとに人を増やし、イベント等行動し
  てマスコミを味方に付け、選挙の争点にする。
 以上3種類の方法の優劣を検討すると、 1) は利
 権がからみ難しい、 2) は案外まとまりが悪いと
 思われる。結局 3) に一番可能性があり、世論が
 国を動かすと思われる。           
                       
3.道州制の構想その他(質疑応答)      
  1)基礎的自治体を15〜30万人にして257 府では 
  1億2千万人の全国をカバー出来ないではない
  か?  将来の人口の減少を考慮している。  
  2)立法府はどのように考えているか?     
  200 人の国民代表と各州の代表でよい。   
 3)司法府はどのように考えているか?     
  目下検討中である。            
  州に第一次、第二次、最高裁を置き、民事は州
  で結審してはどうか。ただし国家全体の問題は
  国の裁判所により、さらに法制局をやめて憲法
  裁判所を置く。              
  尚本年11月3 日か来年5月3 日に地域主権も前
  提とした憲法改正試案を発表する予定である。
  ただし道州制だけでは憲法改正の必要はない。
  4)学生を運動にひきずりこめないか?     
  地域主権の恩恵に浴するのは若い人であるから、
  青年部を作ったらよいと思う。日本フロンティ
  アの会では小田全宏氏に地域主権を担当させる。
  5)オフバランス化のメリットは何か?     
  金利は2〜3%を想定している。      
  借金を塩漬けにすると、意外に智慧がでてくる
  事を松下電器で実験済みである。      
  6)実業界の連携先はどこか?         
  経済同友会がよいと思う。         
  (経済同友会は各地の経済界有志の任意団体で、
   全国組織はない。大谷註)         
  7)2003年問題は?              
  地方の問題である。東京は便利で税金が同じで
  あり、ビルの賃料が安くなってきたので、地方
  からどんどん東京に会社事務所が移り、地方の
  ビルはどんどん空室が目立っている。    

生活者主権の会生活者通信2003年05月号/04頁