生活者主権の会生活者通信2003年03月号/07頁..........作成:2003年02月28日/杉原健児

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兜}桑社編集部気付・石原慎太郎様への手紙

H.15.2.10. 神奈川県津久井郡 平岡昭三(TEL&FAX 042-782-0002)

     ー貴著「日本よ」を読んでー   

(一)貴方は、才能、キャリア、勇気、実行力、リ
 ーダーシップ、説得力を兼備した希代の大政治家、
 大思想家だと思うし、著作が面白いので、その殆
 どを読ませて頂いております。日本国民の多くも、
 そう思っている事でありましょう。      
    私は、74歳の、あとは死ぬだけの、一介の老市
 民に過ぎませんが、貴説には全く同感であり、死
 ぬまでに何とか、この国の再生のメドを見て死に
 たいという悲願は、決して貴方にも劣らないと考
 えております。               
    そこで私には、一つの提案があります。貴方は
 自民党や官僚や若者のだらしなさに、イライラし
 ておられます。しかし乍ら、もし貴方が以下の私
 の提案を、柔軟に受け止められ、同意されるなら、
 貴方の貧乏ゆすりも腕組みの悪癖も立ちどころ解
 消し、奥様にも喜ばれるでありましょう。   

(二)先ず第一は、自民党も官僚も若者も、なぜだ
 らしないのか、その本質を理解することでありま
 す。之が理解できれば、腹も立たなくなります。
 第二に、それではこの国の再生の方策は何か、と
 いうことであります。之らが腹に落ちれば、心身
 壮快になり、貴方のやるべきことに直ちに着手す
 ることが、できるでありましょう、それでは、以
 上二点の説明に入ります。          

(三)自民党が、なぜ貴方の指摘するような政策の
 実行ができないのか。その根源は、いつにかかっ
 て自民党が、長年、生命維持装置として続けて来
 た、過度の中央集権の政官業癒着の鉄の三角形の、
 集金集票システムに依拠して参ったことにあるの
 であります。そしてそれが又、諸悪の根源となっ
 ているのであります。「そんな事は言われなくと
 も、充分わかっている。釈迦に説法だ。」と言わ
 ないで下さい。本当にわかっていれば、腹も立た
 ない筈であり、立つのはこの根本へのご理解が不
 充分な証拠であります。このシステムは、自民党
 存立の大動脈であり、生命維持装置でありますか
 ら、之を外せば、お金も票も、どっかに飛んでい
 き、直ちに野党に転落であります。だから貴方が
 いくら、口を酢くして叫んでも、如何にそれがよ
 い事だとわかっていても、できないわけでありま
 す。後藤田元副総理ですら、最早や政権を交代す
 べきだと言っております。でも自ら改革は決して
 できないので、あります。ここの処を、充分理解
 してやらねばなりません。官僚も同理であります。
 中央集権の権限を外せば、直ちに失業であります。
 若い議員も下手をすれば、木から落ちた猿以下に
 なります。だから、彼等に、団結して新党結成な
 どけしかけても、そう簡単にはいかず、むりもな
 いのであります。              
    以上が、現状の根本原因でありますから、只単
 にハッパをかけただけでは、誰も動こうと致しま
 せん。それでも老政治家は、あと少しの時間です
 から、泥舟にしがみついて居ればよいでしょう。
 そこでご指摘の通り、彼等を相手にせず、次の方
 策を考えねばなりません。          
(四)上述の通り、諸悪の根源は、中央集権制であ
 りますから、之を廃止し、その対極にある、地域
 主権の最も理想形である道州制にこの国の形を変
 えるしかありません。地域主権こそ、自前の、真
 の民主主義の形であります。諸外国の殆んども、
 之を採用しております。最近は、長年の中央集権
 国家であったフランスですら、地域主権国家に、
 憲法を変えようとしております。このように、こ
 の国を大改革すれば、諸悪は全て解決の方向に向
 い、経済も活性化することは、必定であります。
    又、そこまでしなければ、この国は本質的に、
 絶対に改革できません。小泉内閣の構造改革など、
 お笑いであります。そして、今、多くの県知事が
 地方分権を叫んでおりますが、所詮、現行法制の
 範囲内では、大した事はできず、結局は、政権の
 交代による法改正(道州制立法)を断行しない限
 り、真の改革は実現しないのであります。   

(五)さて、それではこの道州制をどうやって実現
 するのかであります。ご高承の通り、民主党も道
 州制を標榜するかに見受けられます。しかい乍ら、
 今の弱体の民主党その他の野党連合だけでは、政
 権奪取は難しいでしょう。そこで、有為の自民党
 の若手議員も一緒になって、民主党への合流、乃
 至は新党の結成以外に、現実的政権奪取の方法は
 ありません。それは決して難しい事ではありませ
 ん。今正に、熟柿がうれ落ちる寸前であります。
 誰かが、うまくアレンジすれば、実現可能な状態
 であります。                
    そこで、ここでもってこそ、貴方の求心力が要
 求される正念場であります。その道は只二つ。自
 民党の若手有為の議員を、民主党に合流させるか、
 両方で新党を結成させるか、の二つに一つであり
 ます。そして、一番大事なことは、この新体制を
 貴方の呼びかけで実現させる事であります。貴方
 が、本気になって呼びかければ、関係者は全員、
 之に呼応するでありましょう。        
    貴方以外には、そのことができる人は居りませ
 ん。そして、貴方のお立場は、その結果の上に位
 置されるか、或いは、そのコーディネーターとな
 るか、それは時代の要請に、従えばよいのではな
 いでしょうか。               

(六)以上はの私の提案のみが、この国を救う唯一
 の変革のシナリオと愚考します。       
    私は、東京都内の唯一の政治的市民運動の会で
 あります「生活者主権の会」におきまして、道州
 制実現推進委員会の委員長をしております。目下、
 上記のような提案を民主党にしております。貴方
 が、その気になれば、何時にても民主党幹部をご
 紹介申し上げます。真の改革は、市民運動によっ
 てしか実現致しません。           

 終りに、道州制に関する拙稿を二つ     
(テキスト:なぜ今、日本に道州制が必要なのか)
(一枚の紙表裏作戦)を参考に供します。    

以上乱文乱筆を深謝し、益々のご健勝を祈念します。

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