生活者主権の会生活者通信2003年03月号/01頁 ..........作成:2003年02月27日/杉原健児

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生活者通信【3月号】

第91号・2003年03月01日発行   ホームページ・アドレス http://member.nifty.ne.jp/ne/se/
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事務局:〒182-0014 東京都調布市柴崎 2-13-3 つつじが丘ハイム C509 杉原健児
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放蕩息子への処方箋

生活者主権の会代表 岡戸知裕

  今年度の予算、税収41兆円、新規国債発行36
兆円、国債利払い17兆円という数字を、常識的に
みれば、誰しもゲームオーバーだと感ずると思う。
救急救命室行きの状態だ。ところが患者はインフレ
ターゲットという今まで世界で誰も試したことのな
い、新種の人体実験に臨もうとしている。    
  ケインズ主義もインフレターゲツトも要するに与
党が財政出動の口実に利用しているだけであって、
景気対策という美名の下に与党が票田と考えている
建設業界などに、予算のバラマキを死の淵にあって
も続けようとしているわけだ。         
  この無原則な予算の執行による、国債残高の山が
高くなればなる程、年金を含めた国民の将来不安は
増し個人消費は減退してゆくという矛盾を抱え込ん
でおり、これが真のデフレの原因ではないだろうか。
  究極の処方箋は、道州制だが、その前に徹底した
政府のリストラクチャリングが必要だ。     
  その為に景気がさらに下降したとしても、国民は
それに充分耐えうる覚悟はできていると思うし、一
部の国民が小泉政権に期待を寄せているのもその点
である。                   
  しかしながら、小泉政権は、水面下で所謂抵抗勢
力との妥協を繰り返しながら、結果として旧来体制
の延命を図る結果となっている、それが国民に痛み
だけを押し付けて、改革の成果なしという結果にな
っており、株価がこの事実を物語っている。   
  ゴーン改革やサッチャー改革を日本政府が行うと
すれば、41兆円の税収の中ですべてを賄うという
ことになる。日産しろ英国にしろ改革時には、まず
出てゆくものを幅に削ることから始まるわけだが、
これが会社再建の常道でもある。高速道路民営化委
員会の猪瀬氏の発言によれば、道路は1/5 の費用で
できるそうだ、仮にこの計算でゆくと一般会計予算
80兆円から国債費17兆円を引いた、63兆円の
1/5 は約12兆円で、41兆円の税収で充分国債費
と予算が組める訳だ。但し、各省庁の人員削減を始
めとする大幅な予算の削減が必要になるのは明らか
だが、自衛隊は別として働かざるもの食うべからず
は人間の真理でもあるし、小さな政府はサッチャー
改革の真髄である。増税なき財政再建は今ならまだ
可能と思う。                 
  パチンコ、競馬、マージャンに狂った放蕩息子 
(政府)を抱えた親(国民)の行く末は、破産(恐
慌)か夜逃げ(キャピタルフライト)しかないだろ
うし、最終的には放蕩息子は警察(IMF )の管理下
におかれるようになると思う。         
  そういう国際的にみっともない親(国民)となら
ないよう、これから国民が結集して行く以外自衛手
段はないと思う。そういう意味で今回の首都圏市民
会議がおこなった、首都高速値上げ反対キャンペー
ンは、小さな運動であったが、放蕩息子に金を渡さ
ないという親の決意を示す上で意義があったと思う。

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