生活者主権の会生活者通信2002年09月号/01頁 ..........作成:2002年09月07日/杉原健児

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生活者通信【9月号】

第85号・2002年09月01日発行   ホームページ・アドレス http://member.nifty.ne.jp/ne/se/
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発行人・編集委員:岡戸知裕/編集委員長:杉原健児
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省益追求の終着点は?

生活者主権の会代表 岡戸知裕

 第1次世界大戦から日本が学んだことは、今後の
戦争が長期の総力戦になるということであった。し
かしながら大正期の日本の主なる輸出産業は生糸や
玩具などの農産物と軽工業品が中心で、とても長期
の総力戦を戦いぬけるような産業基盤はなかった。
日露戦争後の極東配備のソ連軍と対峙するには、40
個師団(約 100万人)が必要とされたが、そんな大
軍隊を養えるだけの予算もなく、また海軍も対米戦
用の八八艦隊(戦艦8隻、巡洋艦8隻)、を整備す
ることもできない状況にあった。よって大正12年の
国家予算の半分が軍事費となり、犬飼毅は陸軍の予
算を削って、日本の産業構造を重化学工業化しよう
と提案していたが、陸軍は予算削減ということに対
して、いかなる理由があろうとも反対であった、又
装備よりも人数つまり師団数を重視する傾向があっ
た。結果、産業の重化学工業化は遅れ、近代化され
た極東ソ連軍の火力は日本の3倍となり、ノモンハ
ン事件を迎えることになる。          
 海軍もワシントン軍縮条約により、主力艦の保有
率を5.5.3で政治決着させた海軍の条約派は徐
々にその撤廃を要求する艦隊派に押し切られてゆく。
海軍の予算獲得と権益の拡大という個別的な利益を
優先させる艦隊派が、英米との協調の下で日本の繁
栄を図ろうとする条約派を駆逐していった。このよ
うに、陸海軍の人事は、省益を声高く標榜するもの
が、出世してゆき国際協調の下に日本の国益を追求
するという常識派が少数意見となっていった。  
 このような趨勢が無原則に拡大されてゆき、大東
亜共栄圏にたどり着くのである。これは、北におい
てはソ連との緊張関係を生み、南方においては、米、
英、仏、蘭との摩擦を生む、非現実的、独善的な構
想であった。ただでさえ総力戦を戦うような国力が
ない中で世界と対峙するという悲劇的な権益拡大戦
略であった。                 
 対米開戦阻止の最後の役割を担った海軍も、くず
鉄 110万トンを海軍に支給することを取引条件に開
戦に賛成してしまい、ついに石油の76%、くず鉄の
70%、精密工作機械の40%、軍需用資材の66%を輸
入している米国との開戦に戦争戦略もないまま死中
に活を求めてのめりこんでいった。このような膨張
指向は、2発の原爆とソ連の参戦という悲劇的な結
果をもってしか止めることができなかった。   
 この歴史の教訓から何を学ぶかということである
が、現在の政治状況から判断して、80兆円の一般会
計予算と 270兆円に及ぶ特別会計予算の削減など、
とてもできるような力が今の政府にはない、おろか
な指導層による、おろかな政策から景気は下降し続
け、最後には市場による暴力的な調整が待ち受けて
いるような気配さえある。           
 但し、これを回避する方策としては、多少の波乱
があったとしても、唯一政権交代しかないのは明ら
かだ。                    

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