生活者主権の会生活者通信2002年06月号/13頁..........作成:2002年05月22日/杉原健児

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下記の主要新聞社の第三者委員会へのお願い

(朝日新聞社「報道と人権委員会」、毎日新聞社「開かれた新聞委員会」、
読売新聞社「新聞監査委員会顧問」、産経新聞社「報道検証委員会」)

生活者主権の会・道州制実現推進特別委員会委員長 平岡昭三

  前略                                        
(一)近時、この種の委員会の設立が相次ぎ、紙面
  の批判や苦情への対応等を行っておられることは、
  大変結構なことと存じあげます。何故なら、今の
  大手各新聞は、自己保身のため、当然書くべき又、
  論ずべきこの国の政治体制の根幹に触れようとし
  ない等の問題を本委員会が批判してくれることに
  よって、紙面が活性化し、日本全体の正常化につ
  ながることが期待できるからであります。そこで
  私は、貴委員会におかれましてもこの点を最重点、
  最優先課題として、真剣に取組んで頂きたいと思
  うのであります。それは、どういうことか、又、
  私が、何故この点を強調するのか、以下説明申し
  上げます。                                  
                                              
(二)ご高承の通り、今、世の中に、幾百幾千の諸
  悪が横行しております。赤字財政のたれ流し、贈
  収賄、談合、経済の官僚統制、規制不緩和、バラ
  撒き補助金、ムダな財投・特別会計、公共事業、
  経済をむしばむ特殊法人、公益法人などの官企業、
  農水産過保護、教育非自由化、いじめ、不登校、
  落ちこぼれ教育、労働流通不足、二割司法、公害
  ・汚染、縦割行政、天下り、汚職、情報不開示、
  巨大政府、三権不分立、憲法上人権無視、等々数
  え上げれば、きりがありません。それらは、毎日
  の紙面を賑わしております。そして、新聞は、毎
  日之をもぐらたたきのように叩いて面白がってい
  る丈であります。こちらを叩けば、引込んで又、
  あちらの繰り返しに明け暮れています。        
                                              
(三)しかし乍ら、賢明なる委員の皆様、一体之等
  の諸悪は、どこからきているのか、どこが根本的
  にいけないのか、どこをどうすれば良くなるのか。
  皆様は、先刻ご承知の筈であります。そうです。
  之らの全ては、一つの例外なしに、自民党政治の
  長年に亘る過度の中央集権システムによる弊害で
  あります。                                  
                政                            
      (圧力)↓  ↑(集票・献金)            
              官→業                          
      (バラマキ予算・補助金・規制・天下り)  
                                              
    この図の如く、自民政治家は、官僚に圧力をか
  け、各業界への予算や補助金をつけさせ、代りに
  選挙の票と献金を貰い、官僚は、業界への規制を
  強固に保持し、利権を温存し、それを武器に天下
  り先を確保するという、誠に結構な鉄の三角形の
  循環の流れを形成しているのであります。それは、
  一つの業界だけだと、集票能力が国民全体の5%
  程度ですが、10種の業界を集めれば、50%の
  集票能力になるという実に巧妙で強力な集票シス
  テムなのであります。業界とは、農業、漁業、土
  木、建設業、商工業、金融業、運輸業、教育業、
  医薬業などであります。つまり、中央集権制ある
  限り、自民党は、絶対不敗のシステムを作り上げ
  てきたのであります。この統制のなかには、マス
  コミも組み込まれていますから、一部の野党や市
  民以外、誰も余り文句を言わずに来たのでありま
  す。マスコミは、どこに問題があるか、どう改革
  すべきか、知りながら、国民に知らせず、官庁発
  表をそのまま報道するばかりであります。      
    国民も亦、長年のシステムに飼い慣らされ、諸
  悪の弊害が如何に大きくとも、借金のぬるま湯に
  つかって、麻痺してしまって来たのであります。
  それは又、日本人の苦労好きと寛容の性質による
  ものでもあります。お陰で、財政は、国も地方も
  壊滅状態で崩壊寸前であります。経済は、官製統
  制経済に掩われて、活力を喪失してしまっており、
  いくらカンフル注射をしても、全く効き目はあり
  ません。(之等の詳細は、PHP 研究所「日本が自
  滅する日」石井紘基著にくわしく処であります。
  国民必読の書だとおもいます。)              
                                              
(四)私は、朝日や毎日等の編集局長などに、何度
  も訴え、この点を紙上で開示して、解決策を皆ん
  なで議論するよう、要請を続けて来ておりますが、
  彼等は、努力中とか、若手第一線記者が言うこと
  を聞かぬとか、言を左右にするばかりであります。
  若手記者に聞くと、書いても、上が握り潰してし
  まう、とぼやいております。それもその筈なので
  あります。大手のマスコミは、東京一極集中の方
  が、情報の出し入れを、一元的に処理でき、仕事
  が簡単で、楽なのであります。その上、記者クラ
  ブ等の組織により、官僚に情報を全く依存してい
  るから、之に逆らうのは、自殺行為でもあるので
  あります。                                  
                                              
(五)考えて見れば、貴委員会の学者、評論家、弁
  護士、経営者等各委員の皆様も、この集権制の中
  に組み込まれ、その中で安穏に生活しておられ、
  物言えば唇寒しの状態で、率直に物が言い難いの
  かも、知れません。                          
    しかし乍ら、議会制民主主義体制下、正義の立
  場で、このお仕事をしておられる以上、この根本
  問題をなおざりにして、毎日の枝葉の現象のみを
  論じているようでは、本末転倒ではないでしょう
  か。この根本問題を論じ、新聞をして之を直視さ
  せ、議論させることこそ、最重要だと存じ、敢て
  提言申し上ぐるしだいであります。この問題さえ
  解決すれば、貴方がたが、毎日、論じているよう
  な現象は、全て容易に解決するのであります。マ
  スコミにいくら言っても、皆様、口にチャックで
  ありますので、貴委員会にお願いするしかないの
  であります。貴委員会発足の主旨は、私の力点と
  ちょっと違うかも知れませんが、他にアッピール
  する所がないのであります。どうか、本信は、貴
  委員会全員にご回章くださいます様ご高配下さい。
    乱文乱筆多謝                        草々。

生活者主権の会生活者通信2002年06月号/13頁