生活者主権の会生活者通信2001年06月号/10頁..........作成:2001年06月05日/杉原健児

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長妻議員との懇談会に出席して

埼玉県 河登一郎

  議員の話はいつものように大変意欲的で参考にな
った。詳細報告は、本号3頁にまとめられてあるの
で省略し、以下私の印象に残った点を思い付くまま
に整理して見た。                              
1.公約の中間報告:                          
 (1)中川官房長官の機密費流用・警察情報私用・暴
    力団との癒着をマスコミと協力して追求し辞任
    に追い込んだ実績は特筆に値する。癒着構造の
    上に成立つ従来の自民党政権下では、このよう
    な不祥事が多発したとは言え、現職の官房長官
    の辞任が、森政権のイメージ・ダウンを決定的
    にする一方、まともな国民に自信を与えた意義
    は大きい。                                
 (2)長妻議員年来の主張である危機情報の公開につ
    いても、合成着色料赤色2号が米国で禁止、日
    本では認可されている事実の政府確認や、警察
    庁の車種別事故死亡率リスト公表確約も具体的
    な成果である。同様なケースは非常に多く、情
    報公開法により市民レベルでも実行可能になっ
    たのだから、今後大いに参考にさせて頂きたい。
 (3)郵政民営化について、党内の意見は必ずしも統
    一されていないとのことだが、諸悪の根源たる
    財投の悪弊を断つ意味でも小泉内閣の協力も含
    め、是非実現して貰いたい。                
 (4)超党派の「公共事業チェック議員の会」が全国
    的に不要・有害な事業の中止を要請しているの
    も心強い。民主党がダムの2年間凍結方針を決
    定したことも朗報である。但し、年金の全額税
    方式への移行については議論の余地があろう。
 (5)官僚「の天下り禁止法」立法は良いことではあ
    るが、それ以前に、特殊法人とその子会社群で
    の利権構造そのものへのメス入れを大いに期待
    したい。                                  
2.情報公開法の活用:                        
  ・議員から再三にわたり本法の重要性(うまく活
    用すれば国民一人一人が国会議員と同じような
    政治的効果をもたらす可能性を秘めている)を
    ご説明頂き、当会の活動の柱として取り上げる
    ことのご提言の趣旨は良く分る。            
  ・既に制度疲労を起こしている日本の官僚制度に
    強力なインパクトを与えることのできる本制度
    は、それ故にこそ多くの官僚が危機感を抱きな
    がら、法に従って対応できるよう、窓口・スタ
    ッフ・制度を準備しているのである。        
  ・にも拘わらず、各省庁の窓口を閑古鳥状態にさ
    せておくことは、国民の怠慢である。        
    これでは、国民は政治家に対して怠慢を責める
    資格はない。求める文書名の特定など、細かい
    テクニックも必要なので、自分で実行してみる
    ことが重要である。                        
  ・隠されていた情報を引き出し、マスコミの協力
    も得て責任者(官僚・政治家など)処罰まで持
    ち込むことも充分可能で、当会の重点政策とし
    て実行する価値は充分にある。成功すれば政治
    的効果、PR効果とも抜群であろう。        
  ・非公開情報、特殊法人、口頭の行政指導など問
    題点もあるが、不服申し立てや裁判の道もあり、
    批判する前に使って見て、4年後の見直し時点
    で改善を目指したい。                      
3.公務員の人事評価制度が "癌" であること:  
  ・公共事業や特殊法人を通じて信じ難いような国
    費(税金)の浪費が行われている背景の一つに
    公務員の人事評価制度がある。一般的に云って
    公務員は、イ)予算を使いきる、ロ)特殊法人
    をつくる、ハ)規制をふやす、ほど、即ち税金
    の無駄使いが出来る人ほど優秀と評価される。
    つまり、財政赤字肥大化が制度にビルト・イン
    されている訳で、このシステムを変えない限り
    浪費は続く。                              
  ・問題は方法論である。大臣の方針・ 姿勢、局長
    以上の政治任命等政治主導でやるしかない、と
    のことだったが、三重県のように県条例で決め
    る方法もある由。                          
4.民主党論の統一(歯切れの悪さ):          
  ・民主党内で、「規制緩和」「(郵政)民営化」
    「小さい政府」の意見は強いが、党論としては
    必ずしも統一されていない。それは党内に考え
    方の異なる二つの流れがあるため。          
  ・しかし、労組依存度は低下しており、若手(特
    に3期生以降)は圧倒的に「小さい政府」志向
    だから、党論の歯切れも徐々に良くなる方向、
    心配なしとのことだった。                  

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