生活者主権の会生活者通信2001年06月号/08頁..........作成:2001年06月05日/杉原健児

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霞が関界隈「情報公開開示請求」探索体験記

調布市 杉原健児

  本年4月1日の「情報公開法」施行に先立ち、特
定非営利活動法人・クリアリングハウスが、3月31
日「プレフォーラム」を、4月2日「霞が関・情報
公開ツアー」を実施した。私は両方共参加した。4
月2日のツアーを含めての利用状況は、テレビ・新
聞で賑やかに報道された。その後、4月12日のF区
の会で小俣氏と、内容は何でも良いからそれぞれ自
力で体験してみようと約束した。                
                      ☆                      
  5月1日「12項目の開示請求案のメモ」を携えて
一人で出陣。まず、全体の総合案内所である【総務
省】へ。玄関で通行証明書提示を求められ、運転免
許証を見せて入館。                            
  「12項目のメモ」は「憲法改正/憲法第9条の解
釈/首相公選制/最高裁判事任命/特殊法人・認可
法人・公益法人の実態/私学助成金の交付実態/米
の貿易自由化/学校給食に対する補助金/ダムの耐
用年限/都心における建築物の容積率緩和/空港周
辺防音工事/高血圧の正常値」に関する資料。    
  【総務省・情報公開総合案内窓口】で12項目のメ
モを見せ、項目毎の説明をし指導を仰ぐ。HP検索
で探して貰うが殆ど出て来ない。結局、項目毎に管
轄省庁を仕分けされ、行き先窓口を指示された。  
  まず、隣の部屋の【総務省・情報公開窓口】へ。
「憲法改正/憲法9条の解釈/首相公選」は、政治
レベルの話で文書としてはないのではないかと。と
にかく総務省には文書はないので、内閣府・内閣法
制局・法務省あたりで尋ねてみたらとのこと。    
  次は【国土交通省】へ。「ダムの耐用年限」につ
いては「全国のダムの堆砂資料」の名称で、「空港
周辺防音工事」については「民家防音工事の仕様」
の名称で、それぞれ「開示請求書」を提出した。  
「都心における建築物の容積率緩和」については、
同省のHPにそれらを含む内容があることを教えら
れた。同省は大変親切で、3件とも直接の担当者を
電話で探し出し、窓口まで来て貰って、必要とする
書類を特定するための相談に乗って頂いた。      
  最後に【厚生労働省】へ。「高血圧の正常値」に
ついては、窓口が直接の担当者を探すのに1時間近
くの悪戦苦闘の電話。窓口終了時間5時を過ぎてや
っと見つかり対面。親切な説明を受け、日本高血圧
学会出版の「ガイドライン」を紹介され、その元に
なっている「研究報告書」を貸与頂いた。        
  全体の印象としては、窓口は一部を除き、極めて
親切・親身に対応され、直接の担当者との対話は要
を得た探索が可能であると思った。ただ、HPは極
めて幼稚な検索エンジンで、担当者もあれで探すの
は無理でしょうねと本音を洩らしていた。        
                      ☆                      
  5月2日、前日残した分に加えて14項目の開示請
求メモを携え、まず【農林水産省】へ。ここは農水
省らしく、各地特産の間伐材の机・椅子・書棚など
の家具でデザインされ、林野の雰囲気が担当者の自
慢。直接担当者と絞り込みの面接。結果は「ウルガ
イラウンド時の米開放決定での交渉経過関係文書」
と名称を特定して開示請求書を提出した。        
  次に【内閣府】で「憲法改正」「首相公選制」に
ついては、存在しないとの返事だったが、粘ったあ
げく、調べてから返事するということとなった。  
  最後に【内閣法制局】では、直接の担当者と相談
の上「第9条の解釈」の原点の資料として、1981年
の国会での「憲法、国際法と集団的自衛権に関する
答弁書」の書類を拝借した。                    
                      ☆                      
  窓口での攻め方は、諦めずに粘ることが大切。審
議会議事録や答申・答弁原稿など、何か文書になっ
ていそうなものを上げて、あの手この手で相手に迫
り、手掛かりを見つけ出して行くことが肝要である。
  とにかく今は、情報公開窓口は閑古鳥が鳴いてい
る。窓口や直接担当者も親切に応対して呉れるし、
じっくり探索出来るチャンスである。皆さんも今の
内に「情報開示探索体験」をお勧めします。      

道州制実現に向けて (2)

神奈川県 平岡昭三

  民主党幹部各位に平岡さんが出した手紙(「各県
での道州制研究の高まり」)に対する民主党の岩国
さんからのご返事。                            
                      ☆                      
                                2001年3月6日
  平岡昭三様                                  
                            衆議院議員岩国哲人
  拝啓。すっかり春めいてまいりましたが、平岡様
におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し
上げます。                                    
  この度は、FAXにてお便りを賜り、誠に有難う
ございました。                                
  また、道州制への研究熱の高まりについて、新聞
記事と御持論を詳細に頂戴いたしまして、ぜひ今後
の地方分権のための参考とさせていただきます。  
  ご指摘の道州制につきましては、狭い我が国の国
土等を勘案すれば、現在の国・都道府県・市町村の
三層構造による非効率な行政構造を打破するために
も、道州や都道府県といった中二階を思い切って廃
止し、国と現在の衆議院の小選挙区程度の300地
域の二層構造にすることの方が相応しいのではない
かと考えております。                          
  それよりも何よりも、私は、地方分権のためには、
先ず権限・財源・人間の「三ゲン」をセットにした
中央からの地方への放権でなくては、行政構造をど
のような形にしようとも地方は十分に改革の役割を
担うことができないと考えております。          
まず、こうした中央・地方関係の確立こそ急務と考
えております。                                
  ご意見を賜れば幸いです。                    
  今後とも、ご支援、ご協力、何卒宜しくお願い申
し上げます。                            敬具。

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