自己回帰 -3

東京都渋谷区 塚崎 義人

 

「かたよらないこころ、こだわらないこころ、とらわれないこころ、

ひろく、ひろく、もっとひろく〜〜〜」

薬師寺元管長・故高田好胤師

 

こころ(統覚)-3

  

 五つの構成要素(照見五蘊皆空)

色 : 「現象」内・外(有形・無形の物質的)

受 : 「受容」眼(脳膜)

想 : 「認識」映像(視覚野)

行 : 「照合」心の器(記憶)

識 : 「判断」大脳新皮質(統合野)

 

眼の領域

色 :無明 (因・縁)

    無明(むみょう)は光に照らされていない「闇」、闇というのは無いものを有ると思い込むことなので、光が当たると闇はたちまち消えうせます。

闇が生じる大きな要因は「因と縁(因縁)」、因は闇を生じさせる心の世界の直な「因」、縁はその因を助長させる外周りの出会い「縁」。

十二因縁(無明、行、識、名色、六入、蝕、受、愛、取、有、生、老死)といわれます。

 

受 :照見 (般若・四諦)

    照見(しょうけん)、心の眼を開くには八正道(正見、正思、正語、正業、正命、正精進、正念、正定)を、そのために、般若(真理の認識)と四諦(苦諦、集諦、滅諦、道諦)をといわれます。

 

意識の領域 

 想 :表象 三世 (涅槃・羯諦)

    表象は、自身の心の世界「過去(受けつぎ)現在(受けつがせる)未来(受けつぐ)」の三世を知る。それには涅槃(平安さ)と羯諦(平凡さ)といわれます。

    

心象 波羅蜜多・十八界

    心象は、自身の心の世界を深く探求。そのために波羅蜜多(布施、持戒、忍辱、精進、禅定、知恵)の実践と、十八界「六根(眼・耳・鼻・舌・身・意)、六境(色・声・香・味・蝕・法)、六識(眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識)」の実践といわれます。

 

 行 :食・齢・創

   食事(生かされ)、創造(混沌)、年齢(終える)をどのように意識しているのか、といわれます。

 

 識 :呪(じゅ)

    「こころ(統覚)」を意識して持ちつづけましょう、といわれます。

 

<心の世界の基本構造>

  領 域 | 構 成 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

|(色)       [  縁  ]  [ 無 明 ]  [  因  ]

  眼  |・・・・・・・・          ↑↓

|(受)       [ 四 諦 ]  [ 照 見 ]  [ 般 若 ]

・・・・・・・・・・・・・・・・         ↑↓

      |  |   |表   [ 諦 ]  [ 三 世 ]  [ 涅 槃 ]

      |意 |   |象

  意  |  |(想)|・・・・       ↑↓

      |識 |   |心  [ 十 八 界  ] [ 波 羅 蜜 多]

     |  |   |象

     |・・・・・・・・・・・       ↑↓

  識  |無 |(行)    [    ]      [      ]    [      ]

     |意 |・・・・・・・・       ↑↓

     |識 |(識)    [        呪        ]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

              「 色即是空 空即是色」。

(物質的現象には実体がない、実体がないのが物質的現象です)

 

今回は、般若心経による「心の世界の基本構造」を、あくまで、ここでの自己回帰(ふりかえり見つめなおす)から推測し組み立ててあります。

心の世界の基本構造と構成している言葉(語句)を、ぜひ探求してみて下さい。