消費税増税について

東京都文京区 岡戸 知裕

今の増税論議、特に日経の論調を含めて歴史観が全くないと言わざるを得ない。

戦前をみても二二六事件での高橋是清の暗殺後全く糸の切れたタコのように、止めどのない財政拡大へ突き進んだ。それが日中戦争や太平洋戦争を財政的に支えていた。

つまり日本を破局へと導いたのは財政拡大とも言える。

消費増税は霞が関にとって旧体制を維持する為の手段であり、特殊法人を含めた膨大な政府機構を支えるには、更なる増税が必要であることは明白で、成長論議などは片隅に追いやられることになるはずだ。

小泉政権時には竹中氏を中心とした経済財政諮問会議があり、代表的な成果として携帯電話の自由化があったのだが。

身の丈にあった財政支出であるべきで、今やらなければならないのは第一に財政支出の削減である。戦前でいえば中国からの撤退である。これは過去には原爆という暴力的な手段により旧体制の崩壊という形で終わりをみたが、残念ながら現代でも同じ結果となるだろう。

今の政府/政党/経団連/メディアは大政翼賛会でしかない。政治主導という言葉が雲散霧消してしまっている、まさに破局へまっしぐらとしか言いようがない。

今回の震災の傷がまだ癒えない内に増税論議とは実におそまつ極まりない。景気というのは気であって今の政府は景気を抑制する方向に働いている。消費税を5%上げれば生活防衛で5%消費を減らすだけになり正に愚か者の体験教室となるだろう。税というのは酒税やタバコ税のように消費を抑制する効果があり、消費税はまさに消費を抑制する方向に働き、経済成長の阻害要因だ。今の日本政府は旧日本航空であり、旧国鉄であり、今の東京電力である。革命的な出直しか戦前のような暴力的な調整が待ちうけるだろう。

賢者は歴史に学び、愚者は体験に学ぶ。