制度から見直す

生活者主権の会代表 小俣 一郎


PRESIDENT 2013729日号に掲載された大前研一さんの「日本で政権交代がうまくいかない本当の理由」が実に興味深かった。

 その中で大前さんは、民主党が政権運営に失敗した理由について「結論から先に言えば、戦後60年弱に及ぶ自民党一党支配によって、『日本は政権交代ができない国になってしまった』と私には思える」とし、その要因として自民党の4つの特質を上げている。

その3番目として「継続性を担保する形になっていない近隣外交」が、具体例を挙げて説明されているが、大前さんの指摘で、民主党が外交でつまずいた理由が改めて整理でき、またその改善の必要性を再認識した。

私は「東西2大道州制」の長所として「内政と外交を分けることができる」ことをこの巻頭言でもこれまで何回か言及してきたが、参議院選挙の結果を見て、改めてその思いを強くした。

 安倍さんは参議院選挙に勝つために好調な経済を選挙の争点にし、改憲等の持論を前面に出すのを控えて、そして圧勝した。

 国民が現段階で「アベノミクス」の継続を選択したのは間違いないが、では「安倍外交」を「憲法改正」を選択したのだろうか。

 現在の制度では国に多くの権限が集中しているので国政選挙での選択肢が多岐にわたり、あまりに複雑になっている。結果国民の選択もあいまいになり、政策推進のマイナス要因になっている。

 政策は国民のより明確な支持を背景に進められるべきである。日本の政治を前進させるためには内政は道州に、外交は国にと選択肢を分けることが不可欠ではないだろうか。

今期も「制度から見直す」ことに重点を置いて活動を進めて行きます。