霞ヶ関を三分する

生活者主権の会 代表 小俣 一郎


 当会の道州制実現推進委員会では現在「大統領制型2大道州制」を検討しています。これは「日本を東西2つの州に分けることによって、国の権限・財源・人材を、より早く、地方に移してしまいましょう」という提案です。

 道州制は、自民・公明・みんなの各党が推進を打出し、5月には超党派の「道州制懇話会」も発足しましたが、では具体的にはどのように実現するのかというと、なかなかそれが見えてきません。

 道州制に限らず、地方に権限を移すこと自体には多くの人が賛成しています。しかし、残念ながらそれは遅々とした歩みです。

ならば、州を2つにしてはどうか、というのがこの提案です。2つの大きな受け皿をつくることで、権限の地方への移行を一気に進めるのです。地域の独自性をより打出す必要があるならば、その後、更なる分割を考えればいいでしょう。

そしてこれは、「霞ヶ関を三分する」案でもあります。つまり、物理的に官僚組織を3分割することによって、組織の改編を梃子に、日本の仕組みを改善しようという試みでもあるのです。

 これにより霞ヶ関の3分の2が、地方自治体に組み込まれます。4年の任期を持った、直接選挙で住民に選ばれた首長の傘下に入るわけです。

 橋下大阪府知事が100%いいとは思いませんが、現在、多くの府民が橋下知事を支持していることは間違いありません。

 その橋下さんが、大阪だけでなく、西日本全体の指揮を執るような光景をイメージして頂くと、「大統領制型2大道州制」の姿が分かりやすいかと思います。

 これにより政治の担当がより明確になります。そして間違いなく議員・首長の総数は減り、よりふさわしい人が選ばれることになるでしょう。