生活者主権の会生活者通信2008年12月号/01頁




生活者通信【12月号】

第160号・2008年12月01日発行   ホームページ・アドレス http://www.seikatsusha.org/
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麻生総理は何を行いたいの

生活者主権の会代表 小俣一郎

 麻生総理の迷走が深まっている。
 発言が二転三転し、失言も頻繁に飛び出し、ここ
にきてまったくいいところがない。
 11月17日のテレビ朝日系列のANNの世論調査で
は、麻生内閣の支持率が30%を切ったとのこと。
あの医師に対する「社会的常識がかなり欠落してい
る人が多い。価値観なんかが違う」発言等は17日以
降の出来事だから、これから出てくる(25日以降の)
内閣支持率調査では、さらに支持率が下がることも
予想される。
 永田町の常識では、内閣の支持率が3割を切れば
「黄信号」、2割に届かないと「赤信号」と言われ
ているらしい。麻生内閣はまさしく危険水域に突入
したわけである。
           ☆
 麻生総理は、閣僚名簿を自ら発表するという異例
のスタートでそのリーダーシップを際立たせようと
した。ところが、いまそのリーダーシップが見えて
こない。
 就任前から「失言」は心配されたが、それだけで
なく、とにかく、他者に振り回され、あまりにも発
言が二転三転しすぎる。強いリーダーシップを演出
したあの姿はいったいどこにいったのであろうか。
また、なぜ自らの政策に反する発言をする閣僚等を
放置するのだろうか。これでは、総理の発言の重み
がなくなるのも当然である。
 このように揺れ続ける姿を見ていると、そもそも
論として、麻生さんは総理として何を行いたいのか、
という疑問さえ湧いてくる。
 景気対策を優先し、経済を立て直したいのなら、
なぜ与謝野大臣を再任させたのか。
 逆に、本当に「地域主権型道州制」を実現したい
のであれば、なぜ増田大臣を留任させなかったのか。
総務大臣ではなく、道州制専任の大臣として残す方
法もあったはずである。いや、本気ならそのように
すべきだったのではないか。
 貧乏くじかもしれない、と発言し、もともと総理
総裁に対する意欲の乏しかった福田前総理と異なり、
麻生さんは何度も自民党総裁選に挑戦し、なりたく
て総理になったはずである。総理になって行いたい
ことがあったからこそ総理になったのではないのか。
ならば、もっともっとそれを前面に出すべきである。
           ☆
 今の内閣は早期の選挙を前提とした選挙管理内閣
だともいわれる。ならば、選挙が延びた(延ばした)
という現実を踏まえ、内閣の改造を行ってはどうか。
選挙用ではない、麻生さんの行いたいことの実現を
最優先にした内閣に作り直すのである。そうなれば
発言がぶれることも、政策を「丸投げ」することも
なくなるばずである。
 そしてそうでなければ、本当の意味での総選挙で
の選択肢が揃わない。麻生総理の行いたい政策が選
挙の前に明確な形で示されなければ、国民の選択も
いびつな形になる。
 麻生さんは「切り札」として登場してきたはずで
ある。自民党総裁選挙でも、それぞれの陣営の思惑
はともかく、結果として大勝したわけで、ここは居
直って内閣改造を行い、やり直すべきではないか。
 もしそれができないような党内情勢ならば、その
ような力のない総理総裁ならば、それは国民にとっ
て不幸である。即刻、麻生総理は辞任をすべきだと
考える。


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