生活者主権の会生活者通信2000年12月号/08頁..........作成:2000年11月26日/杉原健児


10月26日午前の衆議院内閣委員会での議事録(1)

〜この日の夜11時にテレビでテープが放映されて中川長官は直後に辞表を提出した〜

衆議院議員 長妻 昭

○長妻委員  時間もないので、手短に今の関連の質問をさせていた
  だきます。                                                
    愛人だったと言われている中川さんの女性、その女性に中川さ
  ん、あなたが、覚せい剤の捜査が入る、こういうような情報を教
  えたことというのは御記憶にありますか。                    
◇中川国務大臣  そういう情報が私のところへ入るわけもございま
  せんし、そしてまた委員は、私からすれば、十分裏づけもなく、
  そういう報道をなさること自身がまことに心外でございますけれ
  ども、それを根拠に公のこういう国会の場でお尋ねになるからに
  は、本当にそういう事実関係が、私が当事者ではございませんか
  ら、だれか漏えいする人がいなければ私は聞くこともできないわ
  けですから、そういうこともちゃんと裏づけをとってからお尋ね
  をいただきたい、このように思います。                      
○長妻委員  非常に強気な御答弁ですけれども、裏づけはきちんと
  とっています。それはおいおいお話をいたします。            
    あなたとその愛人だったと言われている女性との電話での会話、
  これがテープにあります。読ませてもらいますと、あなたが「と
  もかく、なにか、覚醒剤の関係で警察も動いているよ、多少」、
  女性が「私、でも、やってないです。だから来ても、全然関係な
  いです、私」、そして中川さん、あなたが「警視庁の保安課が動
  いているから。覚醒剤の動きが確かにあるよ。本当に……」、女
  性が「エッ、どう言うことですか」、中川さんが「いや、君の関
  係を内偵しとるちゅうんだよ」、女性が「そうですか。エッ、そ
  れはどこの情報ですか?」、あなたが「それは警察情報だよ」、
  女性が「それは先生が調べた情報ですか」、中川さん、あなたが
  「そう、私の方の情報だ」、女性が「私、でも絶対そういうこと
  ないですから」、こういうような話が、あなた、されているわけ
  ですよ。                                                  
    本当に決定的な証拠がこれだけ出ていながら、全くしらを切る。
  それは国民の皆さんが、これだけその疑惑が続いて、ずっと続い
  ている。本当は、みずから中川さん本人が疑惑を晴らす説得力の
  ある御説明をする、これが疑惑を打ち切る本当の最善のことなん
  ですよ。我々にこういう疑惑を解明する仕事をさせないでくださ
  い。あなたみずから疑惑を解明して、正直にお話しください。  
    今のような会話の事実はありますか。                      
◇中川国務大臣  それは仙谷委員にも、また長妻委員にも、こんな
  ことでこの国会の場でお尋ねいただくということ自身、私自身本
  当に大変に遺憾でありますし、国民の皆さんにも本当に遺憾であ
  ると思っておるわけです。                                  
    しかし、今お尋ねの点は、それはどういうテープなんですか。
  確かに私は、写真週刊誌でそういうやりとりがあるというのは読
  ませていただきました。私自身はそういう会話をした覚えはござ
  いません。記憶もございません。そしてまた、そのような情報を
  得てそういうことを伝えるなどという、そんなルートもなければ、
  そういうこともございません。                              
    もしそういうものが、どういうテープなのか。そしてまた、別
  段私は、そういうものは工作されているとか加工されているとか、
  そう決めつける根拠も何もございませんけれども、どういうもの
  であるのか。そういうこともきちんとお示しをいただかないと、
  委員御自身がそれではどうやってそのテープを御入手なさったの
  か。そして、相手のおっしゃることが全部真実であるのか。    
    そういうこともきちっとおっしゃっていただかないと、実は正
  直言いまして、私自身の名誉にかかわることでもあるし、家族の
  名誉にかかわることでもございますから、こういう席で申し上げ
  ることではないのですが、最近号の出たことについても、正直言
  いまして全く心外でございまして、それについて私自身も調査を
  いたしました。                                            
    その結果、詳しくは申し上げませんけれども、私どもの留守中、
  かつて、その当時でございますけれども、私どもの運転手をして
  いた者がその女性と接触を、接触というかアプローチを受けまし
  て、何回か会ったあげく、頼まれて、留守中に私どもの自宅を案
  内した、こういう事実が判明してまいりました。              
    それが、あたかも私が連れて帰って、そしてまた、そういうと
  ころで写真を撮っておるというようなことまで書かれておるわけ
  であります。その者は、本当に申しわけないと言って、このメモ
  を書いてきてくれておりますけれども、そういうことがお尋ねが
  あるならばきちんと事実関係も説明すると申しております。    
    一事が万事そういうことでございまして、そういうことも含め
  てお尋ねいただかないと、これは、私事にわたることではござい
  ますけれども、私自身、本当に心外だし、こういう席でお尋ねに
  なるからにはきちんと裏づけもとり、そして報道も裏づけをとっ
  てちゃんとやっていただきたい、このように思います。        
○長妻委員  何でこれだけ疑惑が晴れないのか。テープのお話があ
  りました。このテープは95年にとられたテープで、私は聞いてい
  るんですよ、テープを。この部分は、あなたとその愛人と言われ
  ている女性の会話、3日間会話はとられていますよ。その1日分、
  30分間のテープ。確かに、どう考えてもあなたの声なんですよ、
  言い回しも含めて。ため息を何度もつかれております。さぞ大変
  だったんでしょう。これを私聞いておりまして、それで質問をこ
  ういうふうにしているわけです。                            
    95年というと、あなたが首相補佐でいらっしゃったときだと思
  いますけれども、ある意味では権力で警察情報を得て、それをそ
  の捜査対象となっている人に漏らす。事実、その後、警察も動い
  ているわけですよ。こういうような事実がある。あなたの水割り
  のグラスの氷の音も聞こえて、水割りを飲みながらお話しされて
  いるんですよ、その女性と。これでもまだしらを切られるんです
  か。                                                      
    中川官房長官、山下官房長官が十年ぐらい前に愛人問題でやめ
  られた。事実関係をきっちりお認めになって、潔く、これ以上政
  務に支障があってはいけないということでやめた。ところが、何
  ですか。これだけ事実、証拠が出て、何でこれだけ国民の皆さん
  が疑惑、疑惑、ずっとおさまらないじゃないですか。それは、あ
  なたの発言がうそだと皆さん思っているからですよ。          
    ですから、説得力のあるような御説明を願います。何でこうい
  うテープがあるんですか。                                  
◇中川国務大臣  何度も申し上げますけれども、あなたはそのテー
  プをお聞きになったとおっしゃいますけれども、どこから入手さ
  れたテープなんでしょうか。そしてまた、それが私の声である、
  似ている、こうおっしゃいますけれども、その背景は何なんでし
  ょうか。どうしてそんなテープがあるんでしょうか。また、私は、
  どこにいたか知りませんけれども、水割りなんかカタカタやって、
  そんなことなんてありません。家で水割りなんか飲んだこともあ
  りません。                                                
    それから、さっきからもお話ししておりますとおり、どんな立
  場にあったって、そんな警察情報なんか入るものではありません。
  あるというならば、そういう根拠をお示しいただかなければなり
  ません。                                                  
    それからまた、先ほどから、そのテープはどなたがおとりにな
  ったか知りません。仮にそのテープが一方の方がおとりになった
  というのであるならば、ちゃんとそうおっしゃっていただきたい
  と思う。そして、あなたはどういうルートでそれを手に入れられ
  たかもおっしゃっていただきたいと思います。そして、本当にそ
  れが全く加工もない、つなぎもない、そういうテープであるのか
  どうかもちゃんとお調べいただきたい、このように思います。
    そしてまた、相手のおっしゃることが何でも真実だというのは、
  先ほど、今週号の写真週刊誌に出たことについて、私が若干の事
  実関係を、こういう席で申し上げることではございませんが、申
  し上げましたが、本当に、事務所の者まで利用して、自宅を見て
  写真を撮っていかれる、そういうような事実まであるわけでござ
  いまして、そういうことも全部事実だ、こうおっしゃるのは、私
  はいささか、こういう公の場で言うのには、裏づけもちゃんとと
  って言っていただきたいということに当たるのではないかと存じ
  ます。                                                    
○長妻委員  実際、中川さんと思われる人とこの女性と会話があっ
  たその2、3日後に……(発言する者あり)事実だよ。その2、
  3日後に、この電話の相手の女性に、警察の方が、家宅捜査が入
  った。捜査令状を持ってこの女性の自宅に家宅捜査が入った。私
  ども確認しております。この電話の録音された数日後にそういう
  ことがあったというふうに女性も言われているわけです。(発言
  する者あり)私は、今週刊誌の話は全然していません。自分で聞
  いて、我々が確かめて質問しているわけです。週刊誌の話は言っ
  ていない。                                                
    こういう事実があるわけですよ。余りに偶然、あなたがその女
  性と話して、その2、3日の後に捜査令状を持って家宅捜査に入
  っている、こういうようなことがあるわけでありますから。    
    委員長、いずれにしても、このテープをこの委員会に出せるよ
  うにお取り計らいをいただきたい。委員長にお願いします。    
    そして、実際、いずれこのテープが出ると思いますけれども、
  中川さんが、御自身が聞かれて、もしあなたの声だということが
  証明された場合、科学的に証明された場合、そのときはどういう
  対応をされますか。(次頁へ続く)                                        

生活者主権の会生活者通信2000年12月号/08頁