生活者主権の会生活者通信2000年04月号/11頁..........作成:2000年05月06日/杉原健児

情報化時代の政治(1)

松下政経塾フェロー第17期生 関口博喜

 ー松下政経塾「塾報・1999年1月号」より転載ー  今国会では、情報公開法の制定が見込まれている。先行する地方自治体の情報公開条例の現状に ついて触れながら、これから迎える情報化時代の政治、行政について考える。

【行革先進県・三重】

 昨年8月、三重県へ行ってきた。三重は、1995年に就任した北川正恭知事の強力なリーダー・シップ の下に画期的な行政改革を進めている。そこで同県の行政改革の現状を見せてもらった。 視察のポイントは、行政改革の方向性とその実態である。知事本人、県行政管理課長、県議会の 行政改革調査特別委員長といった、行革を積極的に進めている立場にある人々はもちろんのこと、 異なる立場にある人々からも話を聞くことができた。行革の実践者となる現場で働く県職員労働組合員や、 その両者から距離を置き、客観的な立場でこの改革を見ている新聞記者などである。
 行政改革は、国、地方の各政府レベルで約20年前から重要な政治課題となっている。その内容は、 時代に応じて変遷している。現在ならば、国レベルでは中央省庁の再編、規制緩和、地方分権などが 主要課題であり、地方レベルでは人員削減、公共工事の見直しなどが中心テーマになっている。 例を挙げると、1997年から長期間にわたって停滞している公共事業の見直しを検討する 「時のアセスメント」を実施している北海道や、大幅な財政赤字を抱え、99年からの10年間に 一般行政部門と教育部門を併せて合計7000人の削減を予定している大阪府などがある。そうした中、 三重は行政改革を強力に推し進める先進自治体である。
 具体的に三重県で、どのような行政改革が行われているのか紹介しよう。
 まず、1996年に「生活者起点の行政運営」を目標に掲げて、「さわやか運動」推進大綱を制定した。 この大綱の核が、耳目を集めている「事務事業評価システム」の導入である。「さわやか運動」の 「さわやか」とは、「サービス」、「わかりやすい」、「やる気」、「改革」の頭文字をつなげたもの である。その内容は、いわゆる従来型の予算額や職員数の削減といった量的な面に重点を置いたもの ではなく、政策に対する評価を中心に質的な側面を重視したものである。とはいえ、機構面での改革を ないがしろにしているわけではない。国レベルでの縦割り行政によって発じた弊害を、より住民、 生活者に近い自治体で解消していこうと、「総合企画局」を設置し、総合行政を目指している。
 事務事業評価システムとは、いかに多様化する住民の意思を行政サービスに反映させ、サービスを 向上させていくかということを目標に、約3200におよぶ事務事業を点検する制度である。具体的には、 費用対効果の観点から、事務事業の一つ一つに対して目的と成果、またどれだけ自治体がその案件に 関与すべきかという妥当性を測るなど、4つの点検項目が設けられている。そして、出された 事務事業評価は全面公開される。評価の記述が概略的、一般の人々にはわかりにくい言葉が使われている、 など批判もあるが、総じてマスコミは、知事は指導力を発揮しており、抜本的な取り組みだと 評価している。一方、現場の声は厳しい。確かに現場の人間にとっては、慣れ親しんだシステムを変更し、 それに順応していくのは大変なことである。話を聞いた労組の人の中には、「生き方までも変更を余儀 なくされる一大事だ」という人もいた。
 また三重県では、オンブズマンやNPO活動など一般市民の活動が活発である。かつてのように 一つの目標に向けて住民がみな同じ要望を抱えていた時代と異なり、要望そのものが多様化し、 複雑化する現代にあっては、行政の対応にも限界がある。そこで、行政の仕事は住民の要望をかなえる ことと考える北川知事は、そのための一手段として、住民活動を支援するNPOなどの役割の重要性を 唱えている。
 このように三重県では行政改革を推し進めているが、特筆すべきは、何と言っても 「行政情報公開制度」の導入であろう。行政情報公開制度を設けただけでなく、ネットワーク化や データベース化によって行政の情報化も進めている。そして、その原動力となっているのが、 知事の「キーワードは情報革命であり、大事なのは情報公開です」という言葉である。
           (つづく)

日本の警察に外資導入を

豊島区 吉井正信

 最近の警察の不祥事並びに問題処理能力のなさ、監査制度が全く機能していないことや、 公安委員会がただのお飾りであることを飽きるくらい見せ付けられました。
 仲間が仲間を監査することは、どれほど難しいかは、我々民間会社も同様です。しかし、 国の治安を支える警察の影響力を考えますと、監査制度が機能しないと呑気な事を言ってられません。 そして、警察を監視する立場にある公安委員会がお飾りでは嘆かわしい限りです。民間会社で監査が 機能しなければ、幹部や職員による不正を阻止できず、会社や株主に損害を及ぼし最悪の場合倒産に いたります。警察は倒産はしないが、そのつけは国民に回り、国の威信を低下させます。
 そこで提案します。日産にならって、警察に外資を導入しましょう。県警本部長にFBIや スコットランドヤードから人材を派遣してもらいます。そして、国家公安委員会委員長にはもっとも 優秀な外国人を招き、彼のもとに独自のスタッフを置き、調査権を持たせます。現在の公安委員会には 自前のスタッフはおらず、警察の報告を追認するだけです。これでは警察を監視することはできません。 警察に頼らない優秀な調査スタッフが警察再生の道だと思います。
 今の警察には自浄能力がないことは明らかです。大多数の警官は一生懸命やっている、 という事をよく聞きますが、それは問題の本質を見ないで他に焦点を移すための戯言です。
 今が絶好の機会です。日本の警察を大改革しましょう。

生活者主権の会生活者通信2000年04月号/11頁