生活者主権の会生活者通信2000年04月号/05頁..........作成:2000年05月06日/杉原健児

区議活動報告 〜〜杉並病について〜〜

杉並区議会議員 とかしき なおみ

 約1昨年前の選挙で掲げた私の公約は「土・日区役所のサービスを受けられるように」 「杉並病の解決」「障害者、高齢者の自立」の3つでした。今回は、この公約のうち杉並病について ポイントを絞り報告致します。
 まず『杉並病』とは・・・ 杉並区井草の周辺の住民が訴えている健康被害で、症状は目や喉の痛み、 めまい、皮膚のかぶれ、頭痛、倦怠感、この他女性に髭がはえる等のホルモン異常など症状は様々であり、 化学物質過敏症と診断された人も多い。
(1)症状を訴えている住民が杉並区にある都清掃局 所管の不燃ごみ圧縮施設 [杉並中継場] の周辺 に集中している。
(2)被害者は同中継所が稼動を開始した1996年4月 以降から目立ち始めた。
 以上の理由により、住民は中継所に原因があると主張し、都や区に対して中継所の一時停止と 原因究明を強く求めている。しかし何度も実施した都の調査では、大気には異常がない、 調べた成分は基準以下であるという理由から「問題はない」とし、発症後4年杉並病は放置された ままになっている。
 中継所とは、収集車が地域で集めた7〜9台の不燃ごみを大型コンテナ1台分に圧縮、積み替え、 東京湾の不燃ごみ処理センターに運ぶための施設。現在の運営は都清掃局が所管、4月からは杉並区に 移管される予定。
 区長のリーダーシップで中継所の一時停止を決断せよ!
 私は公約を実現すべく、昨年の9月、11月の区議会の一般質問で杉並病について次のような質問を しました。(以下要約)
 とかしき:区は9月に発表した井草森周辺健康調査結果報告書で中継所と周辺住民との症状に 一定の相関関係を認めたが、状況は沈静化に向かっているという分析結果を添えた。住民の調査では 沈静化していない、被害は続いているという訴えているがこの認識の違いをどう考えているか?
 保健衛生部長:発症時期について、ここ1年未満は他地区とほぼ同程度という意味の表現であり、 新たな発症がなくなったという意味ではない。指摘の通り、今後誤解を受けると予想されるので 「沈静化」という言葉は使わない。
 とかしき:区は原因究明と被害者救済とどちらを優先させるのか?
 区長:救済措置を優先させる。住民懇談会を開き、今後の対応を議論しつつ健康調査、 健康相談窓口の開設、医療機関の紹介をし、医療助成についても行う。
 この質問を行った後、昨年11月石原都知事の指示により都環境保全局が「調査委員会」を設置、 今年2月杉並区が初の健康相談を実施するなど行政側の動きに変化が見られてきました。
 更に私は、区長に中継所の停止の意志があるかどうか、どうしても区長と差しで話をしたく作戦を練り、 確実に区長が捕まえられる2000年問題の対応の大晦日の深夜に、手作りのお節料理を持って区長室を 訪れました。
 一瞬2人きりになったときに「区長、中継所を停止する意志はありますか?」の私の問いに 「止めざる負えない。但し、住民にもごみ処理に対する意識改革のきっかけになるように、 それ相応の負担をお願いすることになるだろう」という答えでした。
 1月に入り、杉並病と同じ症状を訴えている人々がいる・・・ という情報を掴み、 私はさっそく現地(神奈川県緑園都市)を訪れました。この時私は杉並病が区以外のごみ処理施設で 発症しつつあるという状況をぜひマスコミで取り上げて欲しいと働きかけ、読売新聞と環境新聞の 記者も一緒に連れていったのでした。そして現地を訪れた私たちは・・・ 驚きました! ここで行われていたのは、公共のごみ処理施設&焼却灰の埋め立て、更にあちこちに産廃業者が野焼き を行っていて、まさにここは神奈川県のごみ一括処理のための場所だったのでした。 「死体以外はすべて燃やしている」という住民の方々が話す通り、煙突が乱立し、この場を訪れた瞬間、 私はのどに膜がはったようになり、肺が重くなるのを感じました。被害者の方々は、 全く杉並病と同じ症状を訴えられていて(症状は緑園都市の方のほうが重いようでした)、 この町の方々はガン通りと言われるほど、隣近所あちこちでガンで亡くなっているという背筋の寒く なる話も伺いました。
 このような悲惨な状況であるにも関わらず神奈川県は、県内にごみ処理施設の代替場所がないことから、 緑園都市の住民の方々の訴えを無視するという姿勢で臨んでいる、とのことでした。
 「日本のごみ処理の仕方は間違っているのではないか。今のままでは、第二・第三の杉並病が発症 してくる。それを食い止め、ごみ行政を正す意味でも、この杉並の地で起きている杉並病をきっちり 解決することが何よりも大切である」と私は、政治家として、いえ一人の人間としてこの問題に 真摯に取り組まなくてはいけない、またその責任をヒシヒシと感じたのでした。
 2月から、杉並病の一因が「杉並中継所」であるということを市民の手で実証しようと、 「杉並病をなくす会」の方々と、私の所属している一新塾の「ごみ政策研究会」の有志の人たち とが共同で、ダイオキシン測定プロジェクトを発足しました。杉並中継所周辺のダイオキシン測定 のためのカンパ活動のために、私は週末ごとに街頭演説をし、募金活動を行っています。最後に、生活者 主権の会の皆様にも、この杉並病の活動にご理解を頂きカンパに協力頂きたくお願い申し上げます。
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 <杉並中継所周辺のダイオキシン測定のための、カンパ基金払込方法>
 郵便局にて「払込取扱票」を請求頂き、「口座番号」「加入者名」をご記入ください。
 カンパ基金は、一口500円からお願いします。
 郵便局 【口座番号】00130-4-179915
【加入者名】杉並病をなくす会
DNX測定プロジェクト

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