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━━━生活者通信メルマガ版━━━━平成21年5月1日  Vol.77━

政権交代への切り札

                   生活者主権の会 小俣 一郎

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 3月24日に小沢民主党代表の秘書が起訴されたが、虚偽記載容
疑のみであった。これを検察の失敗と断じる意見もある。現時点で
代表を辞めることは検察の主張を認めることになり、小沢さんもい
ま引くことはできないであろう。

 この一件で民主党に吹いていた順風は、にわかに逆風となってい
る。しかし、今回もそうであるように、世論はその時々の出来事で
大きく揺れ動くものであり、現在の支持率に一喜一憂する必要はな
いであろう。

 それよりも私は、これにより小沢さんは政権交代への最高の切り
札を手にすることになった、と考えている。それは「首相候補交代」
という切り札である。

 そもそも、民主党が優位に立っていた時も小沢首相への期待値は
低かった。麻生首相があまりにもていたらくなので相対的に上がっ
ていただけのことである。

 くちべたを自認する小沢さんには、説明能力や情報発信能力がよ
り要求される首相は向いていない。裏に回ってこそ小沢さんの強さ
が発揮されるのであり、小沢さんもご自身でそれを自覚されている
と思う。しかも健康に不安を抱えている。もし小沢さんが首相候補
であれば、総選挙が近くなればなるほど、その弱点に対する与党の
攻撃は強まってくるだろう。

 しかし、支持率が高く順調な時にトップを変えることは逆に難し
い。が、いまその状況が変わった。「検察の暴走だが、政権交代実
現のために裏方に回る」というのであれば、自身を傷つけることな
く、政権交代に向けての最大の弱点を消すことができる。


 そしてもうひとつ、この一件を境に、民主党は企業団体献金の禁
止に大きく踏み込むことにもなった。

 小沢さんはそれまで、全面公開は必要だが、企業献金自体は容認
するという立場をとってきた。小沢代表になってから民主党は「公
共事業受注企業からの政治献金全面禁止」という旗を降ろしており、
トーンダウンしていたのは明らかである。

 その小沢さんが、「今回の教訓としてやるならば、企業団体献金
を全面的に禁止すべきだ」との発言を行った。これまで壁になって
いた小沢さん本人から、今まで以上に踏み込んだ形でゴーサインが
出たのである。

 党への逆風が危機感を高めたこともあって、党内に温度差は残る
ものの、民主党は企業団体献金の禁止をマニフェストに掲載する方
向に進んでいる。

 企業団体献金の禁止をマニフェストで打ち出すことができれば自
民党との差別化は鮮明になる。また、民主党の一部に残っている自
民党的イメージも払拭することができるだろう。それは政権交代の
実現に向けて大きくプラスに作用するはずである。

 そしてマニフェストには、それをどのような手順で行うのか明記
しておく必要もある。それこそが他党をも巻き込んだ改革の力にな
るからだ。現実性のある、国民を十分に納得させることができる工
程表を示すのである。

 例えば、政権を取ったら直ちに法改正を行い、来年、平成22年
からは企業団体献金は政党本部のみとし、政党支部が受け皿になる
のを禁止する。政党本部に一本化すれば透明度は各段と増すことに
なり、国民の監視の目がより届くようになる。

 次に、他党とも協議して、22年中には個人献金がしやすくなる
ように制度を整え、直ちにその十分な周知を図り、22年分の確定
申告から税控除ができるようにする。

 そして23年には企業団体献金の限度額を半減。24年からは、
「全面禁止」にする。といった明確な、しかも他党も否定すること
ができないような道筋を示すことが必要である。


 小沢さんは、二大政党による政権交代のある政治が日本には必要
であるとずっと主張してきた。自民党を離党してまでそれを求め、
それがやっといま手の届くところまできたのである。

 そして、小沢さんにとってはまさしくこれが最後のチャンスであ
る。それをみすみす、しかも自らの手でつぶしてしまうような愚か
なことはしないだろう。

 小沢さんはいま「いつの段階で首相候補交代の切り札を切るのが
最善か」熟考に熟考を重ねているところだと思う。最高の時期に、
それも国民が驚くような形で『切り札』を切る。私はそのように考
えている。

「著者・小俣一郎氏関連のHP」
http://www.seikatsusha.org/ne/omata/


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(マガジンID:0000146184)

−「創刊号」 2005年01月01日発行−
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