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━━ 平成18年9月1日 Vol.47  ━━━━ 毎月1日・14日発行

ジーコジャパンと靖国問題

                   生活者主権の会  田代 秀子

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 2006年サッカーワールドカップの日本の成績は1引き分け2敗で
あった。ジーコジャパンのこの結果がきっちり検証されたとは思え
ない。まるでジーコを監督に据えた日本サッカー協会の最高責任者
川淵氏に批判が集まるのを避けるがごとく、すばやくオシム次期監
督の名をあげ、サッカーファンの関心をそちらへもって行ったとし
か私には思えない。どうして、敗因は何か、日本チームに足りなか
ったのは何か、監督としてのジーコの責任はどうなのか、ジーコを
監督にした責任は、など徹底的に検証しなかったのか。特にTVで
は日本チームの実力を客観的に報道せず、ジーコが何かしてくれる
にちがいないなどと神頼みのコメント、そして敗戦。翌日からオシ
ムジャパンにさっさと乗り換えた。それがそのままサッカーファン
の批判なしの流れをつくってしまった。

 どこか何かにそっくりだと思う。たかがスポーツの結果であるが、
若者をコントロールするのは簡単だ。マスコミの特にテレビは今や
恐ろしいほど影響力を持っている。仮に番組の中で誰かがジーコを
監督に決めたこと自体疑問だ、ブラジルサッカーを個人的スキルの
点ではるかに劣る日本選手に当てはめること自体大間違いと、いよ
うものならどこからか圧力がかかり、そのコメンテーターを今後使
わないようにというTV局に要望が来るのかもしれないと思ってし
まう。本当のことを言えない、検証をしない、太平洋戦争後の検証、
責任の追及をしなかったことと私はそっくりだと思う。

 小泉首相の8月15日の靖国参拝を行ってよかったという人の中に
20歳代の若者が多かったという世論調査があった。物事を深く考え
ることを教えられず、権力を持っている側に疑問を持たず寄ってい
く傾向、数の多いい方に簡単に乗ってしまうのが今の若者である。
戦争を知らないのだから仕方がないと言っていいのか。

 近く封切られる邦画「出口のない海」で人間魚雷「回天」に閉じ
込められ外から出口を閉じられ、敵艦にぶち当たり玉砕した兵がい
たことを、今の若者が知ることになると思うが、概して国のために
死ぬことを潔しとする映画、ドラマが多いい。「靖国で会おう」と
いう「靖国」は内橋克人氏の言うように「社会的装置」だったのだ
と気づいて欲しい。

 「戦後に来るのは戦前だ」という言葉が真実味を帯びてきたこの
頃、過去に学ぶことや、結果の検証や、責任を追及しないことが恐
ろしいことになっていくということを何とか若者に分からせたい。
映画やドラマでなく米軍が撮影した実録を見せるべきだ。見ればど
れほど当時の日本の指導的立場の人間が間違いを犯し、愚かしい戦
争であったことが判り、こんなことで死にたくないと思うはずだ。
ナショナリズムの高揚で若者をある方向に向けようとする動きを我
々は何としても阻止しなければならないと思う。

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ー「創刊号」 2005年01月01日発行/2005年05月01日現在読者数:1342名ー

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