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━━━生活者通信メルマガ版━━━ 平成27年8月5日 Vol.131 ━

戦後70年に想う(2) 戦後70年の大逆転

                       生活者主権の会  峯木 貴

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 戦後70年。日本はどう変わってきたのか。また、首相の談話とい
うものが出される、ということであるため、その談話に対する注文
も書いた。

1.戦後70年の大逆転

 日本で戦後というと第二次大戦が終わった後をいうが、あれから
すでに70年もたってしまった。

 敗戦後の焼野原は、記録でしか見たことがないが、映像などを見
るとこれから本当に復興できるのか感じてしまう。よく東日本大震
災と重ねて見る人がいるが、この場合日本の一部が壊滅したのであ
って、終戦直後のように日本のあらゆるところが機能麻痺している
のとは全く異なる。

 それとは裏腹に、戦勝国は政治的にも経済的にも発展することと
なった。

 しかし、それが戦後70年もするとどうなったであろうか。

 当時枢軸国といわれ敗戦したドイツ、日本が世界をけん引するよ
うな勢いである。もちろん2大大国というと米国と中国ということ
になるが、ドイツ、日本は国際社会では特に重要な位置づけとなっ
ている。

 この2つの国の特徴は、経済的に安定的であること、政治的にも
安定していること、そして両方とも保守政党であることがあげられ
る。

 それを第一次大戦前夜に近いといって戦争に結び付ける人もいる
が、現在のドイツと日本が戦争を起こしても何の得にもならない。
恐らくこの2国は戦争に一番遠い国といえるかもしれない。(逆に
言えば戦争を仕掛けられる国ともいえる)

 この2国の発展はまだまだ続きそうである。特に日本では東京オ
リンピックまでは上り調子だろう。また、ドイツはギリシャという
問題を抱えているが、当面はEUの宗主国たる地位は変わらないだ
ろう。

 ところで、民衆というものは不思議なものである。経済が発展し、
政治的に安定であっても、ちょっと風が吹けば気持ちが変わること
がある。

 例えば、リビアはあれだけ経済発展し安定政権を保っていたのだ
が、民衆は(表面的には民主化運動の一環で打倒されたことになっ
ている)カダフィー大佐にNOを突き付け、殺害してしまった。※

 しかし、日本にはそのような愚かな民衆はいないだろう。

補足※:リビア革命は表面的には民主化運動の一環であるといわれ
ている。少なくとも日本のメディアはその側面からしか報道してい
ない。しかし、それでは先に説明したとおりに経済発展させたうえ
で打倒させられた根拠が良くわからなくなる。
 現実的には、リビアが欧米から独立しようとして打倒されたとい
われている。例えば石油の支払いをドルから自国通貨にするなど・
・・


2.戦後70年談話に注文すること

 およそ1970年代頃から、首相が変わるたびに戦争責任について謝
罪を繰り返した。官房長官等の主要ポストの謝罪も含めると限りな
く謝罪を続けたことになる。

 これほど近隣(といっても中国と韓国に対してであるが)に配慮
している国は他にあるだろうか。

 もちろん謝罪以外にも金銭的な援助も行っていることは言うまで
もない。

 しかし、結果はどうだろうか。中国や韓国が今まで日本に感謝し
たことがあるだろうか。また、日本を許したことはあるだろうか。

 こう考えると、この70年間は無駄に過ごした感がある。

 通常の神経の持ち主であれば、これほど謝罪を繰り返しても埒が
明かないどころか、ますます相手が怒っている場合は方針を転換す
るだろう。

 ところで、戦後日本が行ってこなかったことがある。

 それは、「戦争の総括」である。

 あのような多大な犠牲を払った戦争の本当の責任の所在があいま
いなまま、70年も過ぎてしまい、いまだにそれを解明しようともし
ない。それなのに戦争責任の謝罪では繰り返してきた。責任の所在
が分からないのに謝罪するものだから諸外国は怒っているのかもし
れない。

 ただし、この「戦争責任問題」は70年談話には間に合わないので、
ひとまず置いておく。

 もう一つ、さらに重要なことは、戦闘で亡くなった日本の兵士や
敵であるアメリカの兵士を慰霊していないことだ。

 サイパン、硫黄島、ソロモン諸島・ガダルカナル島などの遺骨収
集は遅々として進んでいない。

 そのような犠牲があっての現在の日本なのに、そのことをすっか
り忘れてしまっている。

 このような方々を追悼してこそ、初めて日本人として戦後を清算
することができる。(犯人探しはそのあとでもよい。また、追悼は
謝罪とは意味がまったく異なる。)

 これが私の戦後70年談話に対する注文である。(70年談話に間に
合わなければ、71年談話でもよい。)


「著者・峯木貴氏関連のHP」
http://www.seikatsusha.org/ne/mineki/


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